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第九話:夜、宿、寝る前に!


エクステリオルへ向かうことになった俺たちは今、ケルベットの宿「アイアンアレイ亭」の一室で休んでいる。部屋には三つベッドが並んでおり、右は俺、真中はシュガ、左はエリィというように決めた。

エリィから木刀と鎧を受け取り、装備してみた。

・・・うん。よく手になじむ。この木刀はなんか・・・子供のころ振り回して遊んだ木の枝のような親しみやすさがあるな。革の鎧の方は分厚いくせに柔軟性があってそれなりに動きやすいし・・・革がいくつも重ねられてて守りは十分って感じだ。

エリィに木刀で軽くたたいてもらったら木刀がスルッって感じで滑ったし・・・これはイイ防具。うん。

「それにしても学校ね・・・」

未来に来てまで学校行くことになるとは思わんかった。・・・?

ふと、思った。

「なぁ、エクステリオルではどんなことを習うんだ?」

戦闘技術だけを習うのか?それはゆとり世代の俺にゃあわからんぜ。

「いえ、戦闘技術が確かに授業の5割を占めてはいるんですが3割は現代の社会状況。

1割が選択趣味でもう1割が常識です。」

「常識?」

「ええ、道徳やマナーなどですね。あと、国によって文化が違うのであの国の人にアレをしてはダメですよとか。」

「たとえば?」

「ガルセィア国の方に武器を向けると問答無用で殺されますとか。」

「・・・大事なんだな。」

「ええ。」

確かにそんな物騒な事があるんなら教えていただきたい。是が非でも。

それにしてもガルセィア国の方は随分と血の気が多いんですね。ホント勘弁してくださいよ。

「おい、明日は夜が明けぬうちに船に乗るぞ。」

「え?なんでだよ。」

いきなりエリィが口を開いていったことは微妙に俺たちを驚かせた。

「この街は港町だ。そしてなぜかガラの悪い者が多い。かれこれ私も3回ほど絡まれた。全員返り討ちにしたが、騒ぎになるといかんのでな。」

「・・・ドンマイ。」

いや、エリィにじゃなくてガラの悪い奴にね。

「ドンマイ?」

あれ?この時代にはないのかな?ううむ、かるちゃーしょっく。

「ドンマイってのは俺たちの時代の言葉でまぁ、災難だったなの意だな。」

「そうか・・・うむ。災難だった。」

(そいつらがな・・・・)

「何か言ったか?」

「全力で何も言ってません!!」

「?」

「まぁ、いいじゃねぇかよ。」

気づかれたくない!!気づかれたら俺は終わりだ!!

「・・・まぁいいがもう寝るぞ。明日の朝はさっきも言ったように早い。」

「おう!!気合入れて寝るぞ!!」

もうなんか安堵したせいでテンション高めの俺をエリィとシュガが哀れなものを見る目で見てきた。失礼だと俺は思うぞ。

「・・・あ、そうだ優二。戦闘道具店の主人がおまけしてくれたぞ。」

そういってエリィは優二に腕輪を投げてよこした。

なんていうかこう、金属でできてて黒くて、こまかい彫刻がほどこされている。中心に彫ってあるのは・・・天使か・・・?

「なんだこれ?」

「うむ、さっき私がつけていろいろ試してみたが・・・力と素早さが上がるようだな。着けてみろ。なんだか気分が良くなるから。」

呪いの装備品じゃないだろうな・・・・

そんなことを思いつつ、着けてみる。

「・・・おぉ。これは・・・」

たしかに気分が良くなってくる。うとうとしているときの幸福感というか・・・

「いいだろう?それはお前にやる。」

「え?」

「お前は私たちの中で一番弱いからな・・・そう言った装備品でドーピングしないともう心配で心配で・・・」

・・・なんだか馬鹿にされているような・・・釈然としないものを感じたがまぁいいだろう。事実だからな。べ、べつに悔しくなんかないんだからね!!

「じゃあ、ありがたくもらっておくよ。」

「ああ、そうしてくれ。」

俺は腕輪と鎧と木刀をベッドの横に置くとベッドの中にもぐりこんだ。

それと同時にエリィが明かりを消す。

「おやすみ。」

「おやすみ。」

俺たちは眠りについた。

「・・・なんだか僕影が薄いですねぇ。」

気にしてたんだな、シュガ。きっといいことあるよ。


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