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第四話:いざ、記憶探し。


広大な敷地の門前にて、イリアスは「とりあえずお互い知りあいましょう」と自己紹介を始めた。

「私はイリアス・ラグウェール。ヴァルフォート家の女子侍従長をしています。簡単にいえばメイドや女子労働者の一番上ですね〜。」

「・・・・バルド・フューレル。ヴァルフォート家男子侍従長だ。」

侍従長・・・先ほどイリアスが言ったように二人はメイドや執事といった者たちのまとめ役のようだ。かなり若そうなのだが年齢制限はないのだろうか。

「あ、ああ・・・・俺は桐谷優二・・・・ていうかさっきの話の内容を聞くに俺のことは知っているんだろう?」

「ええ、お嬢様が拾ってきた孤児だとシグルス様が言っておられましたよ。あなたはヴァルフォート家の中ではとても有名です。」

「・・・・孤児・・・・俺・・・・孤児・・・・!!」

優二が悲壮な声をあげて崩れ落ちるのをバルドは心配そうに見ていたがイリアスはさほど気にしていない様子で続けた。

「大丈夫ですよ。優二さんの評判は良いです。『掃除の腕が良い』って。じゃあ早速町に行きましょうか。」

それは褒められているのだろうかと優二が思っていると、

イリアスはそう言うと地図のようなものを懐から取り出した。

それを地面の上に広げると次は長い針のようなものを取り出した。

「なんなんだ?それ。」

どう見てもそれは地図だった。まさか町に行くのに地図を使わないといけないなんて事は

ないだろう。どういうことだろうかと思っていると敷地の中からエリィがやってきた。

「なんだ優二。どこかへ行くのか?」

(・・・ここで言ったらまたエリィに迷惑がかかる・・・。)

そう思ってどうにか誤魔化そうとした瞬間、イリアスが言った。

「えぇ、優二さんはエリィさんに迷惑をかけまいとシグルス様に相談した結果今度はシグルス様に迷惑をかけてしまったので私たちの引率の下メルテナへ行く予定なんです。」

「ちょ・・・イリアス!?」

即、ばらしてしまったイリアスに殺意に似たようなものを抱きつつ慌ててエリィの方を向いた。

(こ・・・っ、殺される!?)

しかし、予想に反してエリィは怒ってもなければ優二に武器を構えているわけでもなく、ただ悲しげな表情をしてぽつりと呟いただけであった。

「・・・別に迷惑などではなかったのだが・・・」

「い・・・いやさ!何回も聞くのって悪いじゃんか?と言うより俺が罪悪感を感じるというか胸のあたりがきゅんと疼くというか聞くたびに嬉しそうな顔して教えてくれるお前にめちゃくちゃ悪い気がしたというかだからその顔やめてくださいお願いします!!」

泣きそうな感じがした→滅茶苦茶罪悪感を感じた→バックジャンピング土下座のコンボを華麗に決めながら一息で全ての言葉を言い終えると優二はエリィの方を伺った。

「・・・そうか・・・まあ・・・お前にも思うところがあったのなら・・・むぅ・・・けど・・・一言ぐらい・・・そんな楽しそうな・・・」

「ごめんイヤまじでスイマセンだからちょっと拗ねて涙目なんかにならないで頼むからおねがいSHI☆MA☆SU!!」

「別に・・・泣きそうになんか・・・なってない・・・グス」

「いらんツンデレ属性なんぞ捨ててしまってぇぇぇぇ!!マジデェェェェ!!」

エリィの涙目にはかなりの破壊能力がある。そのことを確認した優二は、謝罪の言葉を吐き続けた。


その後なんとかエリィを宥めつつ落ち着いてきたエリィを横目に、優二は先ほどの会話の中にあった気になる単語をイリアスに聞いてみた。

「なぁイリアス。メルテナってのは町の名前か?」

「そうですよ〜。ここらでは一番大きい繁華街ですね〜。」

「ふぅ〜ん・・・。」

地方都市のようなものだろうか。それにしてもここは日本のはずなのに横文字が異常に多い。何か理由でもあるのだろうかと優二が不思議に思っているとバルドがふと、思いついたかのように言った。

「たしかエリィ様がお前を見つけたのもメルテナだったはずだが。」




「・・・何・・・?」



「うむ、裏路地に行ってクゥーとホワラとトランに餌をやろうと思って行ったら・・・」

(名前付けてんの!?)

「お前が倒れていたというわけだ優二。そう・・・物凄い汚れていた・・・」

(さりげなく失礼な奴だな・・・っ!!)

「・・・お前が倒れていたところにも行ってみるか?」

「え?」

「何故お前がここへ来たのかわかるかも知れんぞ。」

「・・・・・」


・・・そういえばこの世界のことを少し知って、肝を据えていただけだと思っていたが・・・。

前の世界に未練がないかのように自分は生活している。・・・むしろ新しい生活に喜びを感じてきている。・・・その理由がわからない、なぜわからないのかすらわからない。

ここへ来る前の記憶も何故だか最近霞がかったようにあやふやだ。

しかし、なぜ自分はここへ来たのか・・・その答えは欲しい。

だとしたら・・・答えは一つ。


「・・・そうだな。エリィ、後でそこへ俺も連れてってくれるか?」

「うむ、いいとも。というか私もすぐ行くから先に行け。イリアス!」

「はいエリィ様〜。」

「へ?」

イリアスが先ほどの地図のようなものに手を当てて呟いた。

「対象:桐谷優二・目的地:繁華街メルテナ裏路地番号11−27・速度:風駆フーガ。」

「な、なに?」

優二が聞き返した瞬間イリアスは一言。

「射出。」


その瞬間、優二はヴァルフォート家の敷地から消えた。


いやーやっと四話ですか?

まぁワードからコピーしてるんでそれほど苦でも無いし、むしろ楽しいんですが。


五話ももうすぐ更新できるなァwwww

でわwwww

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