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第二十話:激戦、圧倒的、二十話記念。

「ええか?膝ついたら負け。気ぃ失ったら負け、武器落としても負け。お前は勝ち抜き戦や。」

おお、誠司の背後にスター・プ○チナが見える・・・

ここは甲板。

あの言葉に至って素直に甲板に出てしまったフェリア、その行動にまたブチ切れた5人がその後を追って疾走。

その後を俺とシオは歩いて追った。

甲板に着いた俺らが目にしたのは誠司が目をギラつかせながらルール説明をしているところだった。

周りには何事かと早くもギャラリーが集まっている。暇人どもめ。

「1対5っちゅーんは流石に卑怯やさかいこれにしたったんや。あんだけ大口叩いたんやさかい簡単に負けてくれるな「別に1対5でイーケド。」


ピキピキ


「こ・・・のスカタン・・・マジムカつくで・・・・えろぉ調子こきよってぇ!!」

「・・・そんなにムカつくんだったら1対5のほうがいいんじゃないの?フクロに出来る訳だし。」

なんて女だろうか・・・武器なしのくせにスゴイ挑発だ。

「・・・!!」

「ほんと頭悪いのね・・・」

やれやれとフェリアは手を挙げてみせる。さっきの天然っぽいところがまるでない。演技だったのか?

というかここまで悪役に見えるほど誠司達を怒らせて何がしたいんだ彼女は。

誠司は感情の昂ぶりが顔にまで出ていて眼は血走り、瞳孔は開き、もう完っ璧にブチ切れている人のそれである。

「ええやろ・・・1対5や・・・もう限界やで・・・沸点は低い方やけど・・・ここまで虚仮にされたんは初めてやァ!!いくで皆ァ!!」

「「「「「応!!」」」」」

お前らどーいうノリだ。というかチームワーク良いな。

誠司達が地面を蹴った、それと同時にギャラリーから歓声が上がる。

一瞬ギャラリーに気を取られて目を向けてしまったが・・・


・・・速い。


動きが速すぎる。俺も闘っているときはこんな動きをしていたのか?

中でも群を抜いて早いのは目を吊り上げて大剣を振りまわしているシュガだ。いつも優しい彼が目に見えて他の奴らよりも速い。

そんな誠司達はフェリアに向かって武器をふるっている。


それに対してフェリアは・・・


「サーベル割られたの忘れてたぁぁ〜!!」


大したアホの子っぷりだった。


しかし声とは裏腹に無手で全ての攻撃を受け流している。

1歩を動かない。腰を深く落として足を前後に開いている―――それだけ。それだけなのに・・・

「クソッ!!なんでや!?なんで当たらんのや!?」

「ボクだって拳闘士ファイターなのに、なのに・・・・!!」

「1発も・・・あたんない・・・」

「おのれ、兄上よりも強いではないか!!何だというのだ!!」

「皆さん、多方向からの同時攻撃です!!それならいかなる達人だとしても避ける事などできません!!」

「オーケー、行くで皆!!」

「「「「応!!」」」」

皆がフェリアの前後左右2m程に位置取り、誠司のみ離れたところに立った。

・・・何するつもりだこいつら?

そう疑問に思った瞬間誠司が飛んだ。

高くとんで・・・何がしたいんだあいつは?

そこで俺は気づいた。

落下点がフェリア・・・と言う事は!!

「皆ァ今や!!」

前後左右、そして上からのコンビネーション!!

誠司の声を合図に皆が駆けだした。

・・・確かにこれは勝てるかもしれない。確実に勝てるだろう・・・

けど、・・・けど!!

「危ないフェリア!!」

ゆっくりと時間がスローモーションに流れてゆく。彼らが鬼を宿した表情で走りつつ武器を構えている・・・

その攻撃が彼女に当たる直前、


「大丈夫。」と彼女が言った気がした。


「死にさらせェ!!」

パンッドォンバキャア!!・・・ダァン!

「・・・・・・・・・!!」


今、何が起こった?


ドヨドヨ、ざわざわ。

ギャラリーがざわめいていた。

それは俺も一緒だった。

目の前で起きた事が信じられなかったから。

だって、俺の目に狂いがなければ、

彼女は同時攻撃をしかけてきた前後左右にいた理沙・シュガ・結花・エリィの足を身を屈めつつ払った。

これが「パンッ」。

それにより4人は顔面から転倒、気絶。

これが「ドォン」。

その直後、上から落下しつつレイピアを突き出してくる誠司に向って掌底を突き出し誠司の顔面にクリーンヒットさせた。

これが「バキャア!!」。

それによって船室の壁に叩きつけられた誠司はズルズルと落ちて失神。

これが「ダァン!」の正体だ。

・・・何て奴だ。一瞬だ、一瞬で5人沈めちまった!!


そんな事を思っているとフェリアが言っていた言葉を思い出した。


アイツラが弱いわけではなく、フェリアが強すぎるのだと。少なくとも俺は、そう思わせられてしまった・・・。


「フーッフーッ、フッ、フーゥ・・・。」

そんなことを考えて・・・いや考えさせられていた時、息遣いを感じてフェリアを見た。

フェリアは拳を握りしめ息を整えているようだった。

息も整い俺の視線に気づいたのかこっちを見る。

眼を見開いている俺に向かって、彼女は少し恥ずかしそうに照れ笑いして見せた。


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