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第十八話:ネコミミは私の趣味ですッ!!

何も言わないで。

キィ・・・パタン。

ドアの開閉する音で優二は目を覚ました。

(・・・もう昼時か・・・?あまり・・・寝た気がしないな・・・)

皆さんは経験した事がないだろうか。寝起きで「起きなくては」と思っているのにいつの間にか目を閉じていることや、蕩けるような気分のまま過ごしてしまうことが。

優二は今まさにその状態であった。

「・・・寝ているようね・・・まあいいわ。」

モゾモゾ、とベッドの中に何かが入ってきた。

だが寝惚けている優二はそんなの気にしない。

(んー・・・あったかい・・・何かは知らないけど・・・眠い・・・。)

それは暖かく、優二はまた眠りに落ちてしまった。


「優二さん・・・起きてください。もうお昼ですよ・・・」

「んぅ?うぅん・・・・」

「優二さん・・・そろそろ皆さんがお着きになりますから・・・」

「うぅ・・・・」

もっと寝ていたいんだけど・・・しょうがないか・・・。

「うう・・・おはようシュガ・・・」

「熟睡してたみたいですね。よく眠れましたか?」

「うん・・・まあぁね・・・まだ眠いけど・・・」

そう言ってふああ、と欠伸をする。しょうがない。眠たいんだから。

「ところで優二さん・・・僕的にかなり気になることがあるんですが・・・。」

「・・・・・何?」

寝起きっていうものはテンション下がって不機嫌になるもので、人への対応も結構大雑把になったりする。

「なんあ・・・ふぁあああ・・・・早く言ってくれよ・・・」

「あ、はいスイマセン。・・・その、横のは一体なんですか?」

「あん?」

ベッドの横、小型テーぶるの上には優二の荷物が乗っている。

「・・・これがどうかしたか?」

「いえ、そっちでは無くて・・・こっちです。」

シュガは反対方向を指さした。

「あん?」

つられて優二もそちらを見る。

そこにはこんもりと盛り上がっていた毛布があった。

「「・・・・・」」

「シュガ、いまいち俺は状況が呑み込めてない・・・なんだこれは?」

「・・・いえ・・・こっちが聞いているんですが・・・とりあえず確認しません?」

「・・・そうだな。じゃあ行くぞ。」

バサッ!!

謎のふくらみの正体を掴むべく優二は思いっきり毛布を引っ張った。勢いがついた毛布が飛んで行った。

「「・・・・・!?」」

そしてまず二人の目に入ってきたのはネコミミ。

白色と淡い茶色で出来た縞が思わず触りそうになってしまう。

そして長い茶髪、綺麗な顔。なんというかこう・・・あらあらうふふなお姉さま系の顔立ち、きめ細やかな肌、高い身長、ジーパン。

上半身は何も着ていない俗に言うネコミミ☆な方であった。

「pfkをfwsmcはいkw@w!!?」

「優二さん・・・僕は・・・ショックです・・・」

「え、いや、俺も何が何だか!!」

「優二さんは僕達が気を遣って一人にしているときに・・・にゃんにゃんなお姉さんとニャンニャンしていたんですね・・・」

「バカ!!お、俺は何もしてねぇ!!確かにあったかいのがベッドに侵入してきた感はあったけど俺はそのまま寝てしまったんだ!!」

「怪しいです!!怪しすぎます!!しかも今『しまった』って言いました!!ヤル気満々だったに違いありません!!1匹の獣になってしまおうとしたんですきっと!!」

優二は必死に弁解する。・・・というか実際何もしてないし何かをされていないのだか別段どうというわけでもないのだが・・・。

しかしそんな優二の声など混乱したシュガの耳には言い訳にしか聞こえない。

「言葉の綾だ!!言葉の綾!!」

「嘘です!!じゃあなんでその人上着てないんですか!?優二さんもそこから退かないうえに立派な剣をそびえたてています!!」

その言葉に優二はバッと手で隠した。(なんとなく)

「寝てたからだ!!生理現象ってやつだ!!お前はないのか!?一度もないのか!?」

「あります!!でもこの状況でそんな事になっているとどうしても疑いたいです!!」

「疑うほかはないんじゃなくて疑いたいのか!?」

ちなみに皆さんはどう思うだろう。質問ばかりで申し訳ないが自分が寝ている傍でギャアギャアと騒ぎ立てられたらどういうするか想像していただきたい。


「うぅー・・・」


やっぱり、起きますよね。

「「!!」」

身を起こした女性に二人は仲よくビビった。

そしてシュガは女性の方を見ないように必死で目をそらし、

優二はなんか目ぇ合ってた。

バッチリ。

「「「・・・・・」」」

気まずい雰囲気が流れる。

その沈黙を破ったのは謎のネコミミ女だった。

「・・・シュガくん・・・だっけ?そんなチラ見されても困っちゃうなぁ・・・あたしそこまでスタイル良いわけじゃないし・・・」

「ふぇ!?」

「なっ、シュガ!!てめぇ!!」

「優二君みたいにガン見されても困るけど・・・」

「・・・・」

「・・・・(ジロッ)」

「取りあえず服を着るからあっち向いてて―――」

ガチャ

「優二?そろそろ食堂に―――」


エリィだった。

その後ろにみんな居た。

・・・エリィは石化している!

みんなも石化している!!


それはそうだろう。部屋の扉を開いて目に入ったのはベッドの上、裸のネコミミ女性。

その隣の優二。

ベッドの前で顔を赤くしているシュガ。


シュガは服を着ているし、ベッドの前に居るのでなんにも感想を持ちようがないのだが―――優二はお姉さんのとなりで、しかも入るとき一瞬お姉さんのふくらみを凝視していたのが見えて―――


男子だから仕方がないのだが・・・


とにかくこの信じられない事態を受け入れるために比較的冷静なシオ+結花以外は古来から伝わるお決まりの手段を実行するために息を吸い込んだ。


「み、みんな?違うんだ、お前らが考えているようなことはまず起こらなかった。俺ぁまださくらん坊――――」

混乱している優二が下品なジョークを交えながら何か言っているが・・・そんな事は関係ない!!


「「「優二がネコミミ☆お姉さんとニャンニャンしてる―――!!?」」」


後悔はしていないから。

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