第一話:気がつけば、ここにいた。
※矛盾点などおかしい点がありましたら注意してやってください。
※未熟なのは自分でもわかっていますから馬鹿にしてやらないでください。
※そして、暖かい目で見守ってやってください。
未だに何でここに来たのかわからない。
目を覚ましてまず見えたのは真っ白な天井…。
明るい部屋の中で、自分は眠っていたのだと気付く。
しかしどうしても解せないことがあった。
寝たとしても…今、気がつくまで自分は暗く汚い裏路地に居た。
なら、なぜこんなところにいる?
こんな清潔な部屋で目を覚ますのはとても不可解だ。
わけもわからずただただ考えていると、
部屋の扉が開き、整った顔立ちをした男が現れさして驚いた風でもなく言った。
「目を覚ましたか少年?」
きれいな……というか神経を逆なでする優男の声だった。
二十歳くらいだろうか。清潔な服を着て、一目で高貴な生まれだとわかるオーラみたいなものを放っている。
男そのものはプラチナブロンドの髪に、世の中の女性たちが理想とするきめ細かい肌、
そして女と見紛うような一言で言い表すことのできない美貌を持っていた。
服装はなぜか着物。だが妙に似合っている。
しかし、身長が低く話し方によっては少年と見間違えられてもしょうがない容姿だった。
それも14,5くらいの少年だ。
「急にあいつが君を持ってきたときは驚いたよ。まったく……こういっては何だが君みたいなものの良さがわからないよ。」
侮蔑そのものの言葉を投げかけられても悔しくとも何ともなかった。
あまりの状況に頭が混乱していて情報を得ようと必死なのだ。
しかし、あることに気づく。
待った。
今、こいつは「あいつ」と言った。
つまり、誰かが自分を運んできた奴がいると言う事だ。
「……あいつってだれだよ?」
「おや、口がきけたのか。そいつは重畳」
「あいつってだれだよ!」
「おやおや、口のきき方も知らないのか君は?」
そう言うと男は顔に影を潜ませて言った。
「君は状況を理解してないようだけど、その気になれば君をここから叩き出す事も出来るのだよ?」
どこまでも偉そうな男の態度に、ついに怒りが爆発した。
「じゃあさっさと叩き出せばいいだろ!!」
状況はよくわからないがとにかく苛々を吐き出したかった。
男はそれを分かっているようで会話をするのにも飽きたのか、やれやれといった様子で肩をすくめて見せた。
何だこいつ。そんな気持ちが更に怒りを加速させる。
「大体何だあんた! 口がきけたのかって俺は何扱いだ! 精神病的患者か!? よしいいぞこの野郎! ケンカ売ってるんだろ? ふっかけてるんだろ? 買うぞ! 代金は俺の鉄拳制裁だありがたく思え大馬鹿野郎!」
ひとしきりの盛大な文句を並べ立てたところで息が持たず、フー、フー、と荒い息が漏れる。
「・・・・野蛮な」
「その反応ってどうよ!?」
少し涙目になったところで部屋のドアを物凄い勢いで開けつつ女性が入ってきた。
「兄上! なんだこの騒ぎは!!」
そう言った女性を優二はまじまじと見る。
この女性は男と同じように美しい顔立ちをしており、綺麗な髪を持っていた。
しかし、『兄』と呼んだにもかかわらず女性のほうが頭一つ分は大きい。
優二と同じくらいの身長だろうか。服装は男と同じように着物を着ていた。
「エリィか。いや、お前が持って帰ってきた玩具で遊んでいたら少々暴走してな。面白くって次はどういった反応を示すのか……」
「玩具などではない!!私はただ……」
「まさか…目に入って、可哀想だったから助けたとは言うまい?」
「…」
「ただの自己満足、そんなことで拾われたのならまだ雨に打たれる仔猫のほうがマシだろうよ。 未熟なお前が人を哀れに思うだと? まず腐ったその性根から叩き直せ!!」
女性は、なんともいえない表情になった。
唇をかみしめながら今にも泣きだしそうな気配の女性。
なんとかしてこのいやな空気を晴らそうと、とりあえず少年は口を開いた。
「…状況説明をお願いします。」
ようするにこういうことだった。
エリィとかいうこの綺麗な女性はいつもどおり繁華街を歩いていた。そして、いつもの通り野良猫に餌をやろうと裏路地にまで足をのばした…
するといつもはおとなしい猫達がにゃーにゃー鳴いている。なんだろうと思って行ったら俺が倒れてたってわけだ。
裏路地のじめじめした空気と闇の中で倒れて動かない俺。
さぞこの上品そうなお嬢様には可哀想に見えたのだろう。
そう思うと消えかけていた理不尽な怒りが体の中で燻ぶり始めてきた。
エリィはいろいろ考えていたようだったがうつむけていた顔をいきなり上げるとこう言った。
「…違うぞ兄上。」
「何?」
エリィは突然わけのわからないことを言った。いや、文章的にはまったく意味不明でもなくその内容は俺にも理解できたわけだが。
少なくともそれは『お嬢様』が使う理由ではないしエリィの兄さんと俺が目を見開く理由にも十分なわけで。
「私はこいつを哀れに思ったから連れてきたのではない。 私専属の従者もしくは奴隷とするために連れてきたのだ。」
「「……なんだって?」」
何処かもわからない場所。
誰だか知らない人たち。
胸の中の不安。
それらすべてを無視して進んでゆく現実。
それは俺をエリィの奴隷にした。
どうも・・・上地雄大です。
小説を書くのはこれが初めてだったりします。
ですからいろいろ至らない点があるかもしれません。
そういうときはそっと注意してあげてください。
ところで、一話でメインタイトルの中にある『騎士』という単語が出てこなかったことに疑問を覚える人がるかもしれません。
というよりも自分なら思います。
これは後でちゃんと出てきますのでもうしばらくだけお待ちください。
最後に、駄文を読んでくださってありがとうございました。