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Tiria of Story  作者: 藤巻 祥
一年目
8/10

短めです。

 突然だが、クラスメイトについて少し纏めてみる。


 水属性のレイン・セチュラ。

 言わずもがな、初日に絡んできた同室の女の子である。一ヶ月経った今でも、隙あらば話し掛けてくる可笑しな子だ。

 クラスの誰とも分け隔てなく話しているのを、よく見かける。良くも悪くも八方美人だ。


 光属性のルクス・フォース。

 ドラゴン大好きオタク王子で色々と眩しい奴だ。

 私にとって、トラウマの塊である王子という立場の者。時々話し掛けてきては、ドラゴンについての講座が開かれる。が、王子ファンクラブの乙女達に押し付けて私は早々に撤退させてもらっているがな。その時の奴の困り様は見ていて愉快だ。

 

 楓属性のウィド・シャルクイーエ。

 入学式初日にオーフィールとともに悪ふざけ(本人はそのつもりではなかったと言い張るが)をして、私に泥玉を投げつけた張本人。気が強く、未だに睨まれているが何が気にくわないのかさっぱりだ。

 言いたいことがあるのなら言えばいいのに。尚、問題児だとリタは疲れた顔で愚痴っていた。


 美属性のベルファ・オーフィール。

 彼はいつも、ウィド・シャルクイーエと一緒にいることが多い男の子。美属性に相応しく美しい容姿をしているが、オタク王子と同類の匂いがするので要注意人物である。尚、絵が上手い。

    

 以下、会話すらしたことのないクラスメイトだ。

 雷属性のラアム・ライトニング。活発な男の子で、妖と焦と髑と音と樹の男女混合仲良し六人のリーダー的存在だ。五名の名前は以下の通り。

 妖属性のシャーウ・エクスタシス。 

 焦属性のエピル・アダーマー。

 髑属性のローシュ・アスピス。

 音属性のユバル・ネヴァーリーム。

 樹属性のオリーヴ・デンドロン。


 そして、闇属性のニルヴァ・アルガンダウス。

 ルゥナ国現国王の妹の娘。彼女は常日頃、オタク王子の横に居ることが多く、側近として行動している様で、図書館での邂逅の時に居なかったのは、オタク王子が振り撒いたから彼女の苦労が伺える。どんまい。


◇◆◇ 


 昼食後、次の授業は属性学科だと時間割りを見て思い出し、一学年合同で行う。

 一年生四十三人で構成され、金曜の午後一時から始まる前半の魔法論理に一コマ四十分、第一講堂で行われる。

 昼食だから眠くなるのよね。


 この魔法論理を教えるのが……


「一年生諸君初めまして。私は焔属性学科教諭リタだ。魔法を使うに当たって避けて通れないのが、魔法論理である。何故か?」


 ニヤリと人の悪い笑みを浮かべるリタが教卓の前に立ち、生徒達を眺める。


 そう。嬉しさを顔には出さないけれど今日は待ちに待ったリタの初回の授業なのよ。

 上級生情報によれば最初の四十分の座学は、とても眠くなるらしいが、ここで寝たら後半の実践に参加できずに、魔法を施行する生徒を尻目に、ひたすら書き取りをやらせられるので寝たらいけないらしいし単位も取れない。私は絶対寝ないけれど。


「予習してきた者は分かるだろう? ティリア・エスカフォーネ」


 おっ?

 リタの質問に、まさか私が当たるとは。

 答えは教科書の前書き部分に載せられているが、敢えてページを開かずに、席を立って答えた。


「はい、魔法を施行する上で大切なのは魔法の知識です。それがなければ正しく扱うことは難しいでしょう。魔法は危険で時には命を奪います。私たちは、それを扱うために魔法論理を学ぶ必要があります」

「……ありがとう、エスカフォーネ。席について」


 それからは、教科書を読み進めて、大事な所はチェックと補足説明を聞くという座学だ。

 魔法は体内を循環する血、別名マジックポイント(MP)を使って発動する。

 使い過ぎると貧血になり倒れてしまう。

 勿論、人によって量は違うため、ばらつきがあるが微量で大きな魔法を施行することができる。


 なんというか……

 この話を聞くと、まるでRPGのようだと思う。

 ただ、体力(HP)的な概念がないのは恐らく魔法使いから魔法を取ったら、ただの人間でしかないという事か。


 この前半の座学が終わったら各属性ごとに別れるため間に、二十分の休憩と移動を挟んで後半の実践で一コマで授業が終わる。


 焔属性の生徒は自分含めて四人、そして二年生の三人が加わり合計で七人で授業を受ける。

 リタの指示を受けて、鉄製のテーブルに置かれた七本のローソクの前に立つ。


「では、二年生復習ですよ。杖を構えて」


 リタの指示に従って、二年生たちは杖をローソクに向けて構えた。


「“ラ・フェノ”と、唱える」


「「「ラ・フェノ」」」


 三人が唱えれば三つの蝋燭に火花が散った瞬間、火が灯った。


「これは、基本中の基本。下級魔法の一つ、ラ・フェノ。さあ、一年生の皆もやってみて」


 魔法を施行するのは大抵、術者のイメージで決まる。

 はっきり思い描くことと自らの意志により出来不出来が決まり、例えば蝋燭に火を灯したいなら、自分が蝋燭に火を灯すイメージと火を点けたいという願いが鍵となる。

 どちらかが欠けていれば失敗する。


「うん、素晴らしいわ!」


 どうやら全員が、なんとか成功したようだ。

 最後の一人、確かCクラスの子が、なかなか出来ずにいてリタの個人指導の末、成功した。 

         

 この実践授業が終わったら十分休憩後各クラスに戻りホームルームをして放課後の自由時間だ。


 尚、夕食は十七時から二十時までが原則で、それ以降食堂にいると掃除のおばちゃんに閉め出されてしまうので要注意だ。

 余談だが時々、おばちゃんに怒られるウィド・シャルクイーエを、よく見かける。お前どんだけ食うんだ。太らない体質羨ましい畜生……失礼。

ご通読ありがとうございました!


友人「エタりかけたな?」

作者「すみません……ハーメルンに二次物書いてましたw」

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