出逢い
バレンタインという日を、皆様はいかがお過ごしでしょうか?
優「なんで、彩夏は彼氏とか作らないの?」
「もう17だよ?」「男に興味ないわけ?」
彩「うーん、あんましないんだよね・・・」
美「はぁ~?」
「うっそ、ありえないんだけどっ!?」
彩「いやっ、さ?」
「優ちゃんや美咲はモテるからいいよ?」
「だけどさ、私みたいにガサツな女は・・・」
優「そんなことないって!」
美「そうそう」
「だって、私なんか全然モテてないし、彩夏の方が絶対にモテてるよ!」
彩「じゃあ、なんで私のところには、男が寄ってこないの?」
美「だって、あれじゃん?」
「彩夏って、男と仲良くしようとしないじゃん?」
「別に、嫌がってるわけじゃないと思うんだけど、やっぱり そういうのは、男にとって話しかけ辛い要因の一つになるんじゃないの??」
「所謂、高嶺の花っていうの?」
「なかなか声をかけるのに勇気がいるんじゃないかな?」
彩「そうかなぁー?」
「ただ、人見知りしてるだけなんだけど、私って話しかけ辛いのかな?」
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そうやって、私達は昼休みを過ごした。
さて、私の名前は新田彩夏。
別に可愛くもなんともない、ただの高校生である。
そんな私には、現在 彼氏と呼べる生き物は存在しない。
いやっ、正確には、今まで生きてきた中で、そういった輩はいなかった。
しかし、先ほどの話からもわかるように、私の周りの友達にはいる。
だから、彼女達は私の心配をしてくれているわけだが、 正直、私は男と付き合うつもりなど、毛頭ない。
いやっ、正確にいえば、今のところは まだ、付き合わないと決めている。
それは何故か―――――?
まず第一に、私が『付き合わない』と思っている・・・そもそも、この考え方自体が間違っている。
言葉を正すのならば、私は付き合わないのではなく、付き合えないのだ。
そして第二に、私の幼少期の話をするとしようか。
それは、私が子供だった頃、、、
いや、今も子供かも知れないけれど、それよりも もっと幼かった頃から、、、
いいや、私の産まれるもっと前から、この世界には「的中率100%」といわれる占い師が存在した。
その「的中率100%」の占いの力といったら凄まじいもので、昔は一国を動かしたり、 今でも金や将来について、事故の回避や幸運の獲得等、人の一生を左右するほどの力を持っているが、 それ故、その力を恐れている、忌み嫌う人間がこの世には大勢いる。
――私を占った人も、そんな力の持ち主だった。
まぁ、っと言っても、私は一人の男性と道端で偶然出逢い、 その時、その男は悪党から逃げていて「隠れる場所にもってこいの場所は何処か?」と私に尋ね、 私が思い当る所を教えたら、 彼は“お礼に”と、私を少しだけ占ってくれたというだけで、 その時、私は その彼が本物かどうか、本当に凄い占い師なのかはわからなかったわけだが、 それから半年くらいたってからの 『世界的占い師死亡』というニュースで彼の占う力の強大さを知った。
そうして、私が偉大なる占い師に将来を聞いたのが、中学1年の頃。
忘れもしない、 忘れることもできない、
今から4年前の、バレンタインデーという日だった―――――。