プロットを作る(前) プロットを見てみる。
マグタイトクロニクル1,2のネタバレを含みます。
さて、プロットとは何でしょうか。これを簡単に言うと、以下のものに相当します。
・タイトル
・あらすじ
・ジャンル
・テーマ
・アイデア
・シーン
・台詞
・キャラクター設定……見た目、所属、各種能力、動機
・背景設定
・トリック、推理……これはミステリの場合に必要です
ちょっと待て! 多すぎるだろ! なんか違うものも混じってるぞ! と読者にツッコミを入れられる前に、それぞれに作品の内容を割り当てていきましょう。拙作「マグタイトクロニクル1,2」のネタバレになりますがご容赦ください。
ケース1)
・タイトル……マグタイトクロニクル
・あらすじ……鉱夫ゴーシュは王女ナターシャをそうとは知らずに誘拐する
・ジャンル……ファンタジー
・テーマ……身分を越えた愛
・アイデア
・鉱夫たちはテロを計画したが失敗する
・秘匿名「ブロークン・アーランド」
・王女ナターシャと知らぬまま、ゴーシュは少女を誘拐する
・ゴーシュはナターシャと夫婦になる
・ナターシャはよく働く
・マグタイト戦争と王子たちの戦死
・ペンダントのせいで身分がばれ、王女として戦争を止めに戻るナターシャ
・薔薇園での話
・若き国王への真実の伝達
・シーン
・マグタイトに関する解説
・テロの失敗
・ゴーシュとナターシャ、鉱夫たちとのやりとり
・マグタイト戦争
・薔薇園での白い魔法使いの話
・台詞
・ゴーシュ「いつもそうだ! 貴族どもは僕たちから、いつだってまず『大きいほう』を奪い取ろうとする!」
・ゴーシュ「彼女は女子供だ。それにいずれ僕の子を産むんだ。少しくらい優しくして何が悪い」
・フェリス「何度も訊くが、この話は本当にあったことなのか?」
・キャラクター設定
・鉱夫ゴーシュ
・王女ナターシャ
・白髪親方アルフレッド
・鉱夫ククルス
・国王陛下
・アレク王子とサンドリア王子
・白い魔法使いウォレス
・少年王フェリス
・その他
・貴族の雇った銃兵
・貴族の買い付け人たち
・背景設定
・アーランド王国
・マグタイトと鉱夫
・貴族とラッダイトの敵対
ケース2)
・タイトル……マグタイトクロニクル2
・あらすじ……若き国王が父と出会い、今は亡き母の情報を得る
・ジャンル……ファンタジー
・テーマ……父と子の再会
・アイデア
・前提:国王フェリスが真実を知る(マグタイトクロニクル1参照)
・フェリスは世間知らずである
・王宮を出て暗殺者に狙われるが、ライカの一目惚れと「透明化」で生き延びる
・ラッダイトのカダスは王族を殺すべきと考えるが、ゴーシュは反対する
・フェリスは銃をよく学んでいる
・銃撃戦とカダスの裏切りと失敗
・フェリスは父である鉱夫ゴーシュと再会する
・シーン
・薔薇園での密会
・広場で子供たちにあしらわれる
・酒場での戦闘
・ラッダイト支部
・市場でのやりとり
・銃撃戦とカダスの裏切りと失敗
・国王フェリスから鉱夫ゴーシュへの質問
・冒頭と結末のシーンの十年越しの対応関係
・台詞
・フェリス「ところで、母上はどんな人でしたか、父上」
・ゴーシュ「あいつは軽かったよ。軽すぎて殺すのを忘れた(以下略」
・ゴーシュ「母さんはお前に賭けてたぞ」
・キャラクター設定
・国王フェリス
・王女ナターシャ
・鉱夫ゴーシュ
・鉱夫カダス
・暗殺者ライカ
・その他
・勇者コータ
・新興貴族フラーウム
・名門貴族フレイズマル
・執事兼護衛隊(四人)
・兵士(四人)
・やられ役の敵兵士
・背景設定
・勇者コータの登場と活躍
・議会の導入
・お茶ブーム
・マグタイト共振管
どうでしょうか。簡単にあてはめてみましたが、しっくり来たでしょうか。
だいたいこのへんがプロットと言われるものになります。次の項目に譲りますが、実際には、プロット作成の初期段階では、ジャンルとテーマが決まっていないこともあります。アイデア、台詞、シーンはもっとガシガシ追記する必要があるでしょう。キャラクター設定や背景設定もかなり膨大な量になると思います。