プロットとは何か。
1000pt到達記念、プロットの作り方特集
このエッセイには一つ反省点があります。プロットです。書き始める編「プロットを練り、シーンに分ける。」のことです。
あの項目では、読者がファンタジー小説を書くという前提で、プロットの作り方についてさらっと軽く流してしまった感があります。なので、ここであらためてプロットについて語りたいと思います。作者に分かっている範囲で、プロットについて噛み砕いて説明を試みます。
まず、プロットというのは小説の「設計図」です。
ここで、設計図と聞いて身を固くする必要はありません。
もっというと、プロットは小説の計画であり、下準備です。登山における登山計画であり、料理における下ごしらえに相当するものです。
登山計画はガイドブックや登山地図を買ってその通りに準備すればいいですし、料理の下ごしらえも料理本が言うままにしばらくソースに突っ込んでおくだけです。どちらもそんなに難しいことではないです。
プロットが無くても、書ける人は書けます。
何の準備もしないで、登山道を辿って山に登れる人がいるのは事実です。しかし、途中で疲れてしまったら? 天気が悪くなってきたら? そういうときに、プロットが必要になります。道に迷ってしまい、途中で物語の終着点が分からなくなってしまうことも多々あります。もし準備できるのなら、プロットがあるに越したことはありません。
ではプロットを作りましょう。
しかし、そもそもプロットとは何なのか? どうやってプロットを作ればいいのか? プロットというものには何か具体的な形があるのか?
もっとはっきり言いましょう。「プロットを作れるようになる」ためには何の「練習」が必要なのでしょうか。
私自身、このコツが分からずにかなり試行錯誤を繰り返しました。
読書。これは一見有効そうに見えます。
しかし私の経験上、残念ながら読書は有効な練習方法ではありません。当たり前のことですが、巷で売っている小説には、プロットが付属していません。現代の国語の授業では、作者が何を考えて書いたかを読者に考えさせる問題がありますが、小説を書くという目的から考えると完全に時間の無駄です。(※1)
写経。つまり作品を一作、丸々書き移す作業。これはどうでしょうか。
これは小説を書く上で、筆運びを覚えるための良い経験にはなりますが、プロットを作るという意味ではダメでした。大事なことなので二度言いますが、巷で売っている小説には、プロットが付属していません。結局、ここで誰それが出会う、ここで誰それが仲間になる、ここで誰それが裏切る、という内容をいちいちノートにメモしていく必要があり、読解に非常に時間がかかります。それが楽しいという人もいますが、人生は有限です。
では何を参考にして練習すれば、効率よくプロットを作れるようになるのでしょうか。
次から具体的な話に移っていきます。
※1 そもそも「作者が何を考えて書いたか」なんて、当の本人が解説しない限り、分かるわけがないのです。名作と言われた作品についてコメントを求められた作者が「締め切りに追われ、ヒィヒィ言いながら書いた」とか言っていたりするのを見ると、当の本人でさえ自分が何を考えていたのか分からないというケースもあります。




