はいこちら旧冒険者ギルドについて。
2013/02/13に、拙作「はいこちら旧冒険者ギルド」第一章が完結しました。
完結祝いのポイントが大量に入ってジャンル別ランキングの末尾のほうに載りました(※1※2)。あと久しぶりに某ちゃんねるのマイナースレに晒しました。その支援効果もあって、ついに念願の500ポイントを突破しました(※3)。ご愛読ありがとうございます。
かなりタイトルとあらすじがキャッチーだったためか、毎日のユニアクは300超え。話別ユニアクを見ると最初から最後まで丁寧に読んでくださる方が多いようで、本当に感謝しております。
※1 追記 ジャンル別ランキングの90位→60位→27位まで上がりました。
※2 追記の追記 2/14早朝時点で日間ランキング40位……応援ありがとうございます。
※3 2/16早朝時点で1000ポイント突破を確認。
ちょっと描写の手を抜きすぎていて、ハーフリングのヒューレットはどんな外見なの? とか、エルフのナルシアは美人なの? とか、宙ぶらりんのミゼットはどう宙ぶらりんなの? とか、ドラゴンや魔王ってどのへんがすごいの? とか、いろいろと突っ込みどころのある作品になってしまった感があります。が、完結は完結です。
おまけにイメージイラストを載せておいたので、各自脳内で補完をお願いします。本文中で描写せずにイラストに任せるとか、物書きとしてはやってはいけない行為ですが、こまけえことはいいんだよ!
さて今回は数多くのなろう小説に登場する「冒険者ギルド」に焦点を当ててみました。もっとも「冒険者の時代」は終わり、一度潰れたという設定です。話の主役は旧冒険者ギルド唯一の担当者、苦情係の小妖精、ヒューレット。
ヒューレットは魔女シズネリの予言を受けて、立ってしまった王都滅亡フラグについての根回しのため、エルフのナルシアと共に様々なギルドへと走り回ります。
どれもこれも、ファンタジー世界のどこかに存在していてもおかしくないメジャーなギルドです。様々なギルドとの橋渡し役を演じることで、ヒューレットは、自身が所属する冒険者ギルドというものについて思いをめぐらし、一つの決断をすることになります。
第一章(~二十話)では、他のギルドの様子を描くことで、外堀から埋めていく感じで冒険者ギルドを描こうと思っていたため、冒険者ギルドが何のために存在するのか、どのような業務を遂行するのかは、まだあまり書かれていません。お約束のギルドカード発行機、魔力測定、その他のもろもろのアイテムはまだ出てきていません。
この冒険者ギルドは、のちにイーグランドへの遠征を行うことになるでしょう。第二章では基本的に、冒険者ギルド自体と、イーグランド遠征に関することを書いて、なんとか十万字クラスの作品にしたいと思っています。でもまだ構想段階なのでもう少しお待ちください。
何が「やはり」なのかは分かりませんが、やはり冒険者ギルドが維持管理されるためには、何らかの強烈な動機付けが必要だと思います。遺跡に潜る冒険者。ドラゴンと戦う冒険者。仲間を募る冒険者。傭兵業を行う冒険者。その背景には、戦争とか、情勢不安とか、政治不信とかがあります。
思えば中世ヨーロッパの十字軍におけるテンプル騎士団は、なろう小説における冒険者ギルドに勝るとも劣らない規模にまで発達していました。十字軍遠征中の資金を預かり、銀行業にも手を広げ、国王相手に大量の貸し付けを行っていました。しかしその騎士団(多くは貴族階級出身)という性質上、国王の謀略によって冤罪を着せられ、テンプル騎士団は潰れてしまいます。なろう小説における冒険者ギルドもまた、王権に対抗できないならず者たちの集団ですから、いずれは潰れる定めなのかもしれません。
しかし正業に就くことができない。あるいは、就いていても上手く儲けられない、そんな生き辛い世の中だからこそ、冒険者たちはギルドを作り、互いに助け合うのです! などという、そんな綺麗事を掲げて、ヒューレットは今日も苦情処理を頑張ります。
昔は良かったと言うのは簡単です。ですが、現時点でベストを尽くすということ、それこそが最も難しいことであると考えます。
「たとえ国が滅びようと、たとえ文明が滅びようと、我らは一つ」そんな盟約があれば、この世界はずいぶんと生きやすいものになっていたのかもしれません。この現代社会にも、冒険者ギルドみたいな互助組織があったらいいなあと思いつつ、あとがきに代えさえていただきます。
2013/02/14 青い鴉