目標を持つ。
一話五千字書けるようになりたいな。
三十話くらい連載したいな。
いつか十万字超の作品を書いて、完結させて、賞に応募したいな。
大事なのはこういう目標を持つことです。目標があることで、努力の方向性が決まります。目標も無く、だらだらと十万字以上書いて、いつのまにかランカーになっている。確かにそういう人はいます。ですが、そういう人は稀だと思ってください。
みんな多かれ少なかれ、目標を持っています。
よく、こんな愚痴が聞かれます。
「小説家になろうとする奴らって、他の道に全部挫折して、俺にはもう小説しか無いんだ! なんて言いながら、実際は何の努力もせず、ただ与えられるものを貪り、漫然と筆を走らせる奴ばっかりで、なんつーかダメダメだよね」
はい。私もその中の一人です。社会からドロップアウトし、絶賛ひきこもりライフを満喫しております。ゴミです。クズです。いてもいなくても同じ存在です。
小説家は、アーティストと同一視されることが多いです。それもこれも、社会からドロップアウトした連中の吹き溜まりだからです。「締め切りは破るためにある」そんな台詞を嘯く小説家もいます。「この業界の体質に唖然とした」という小説家もいます。小説家の世界は、まさに玉石混交、まさにアウトローそのものです。
それでも、みんな多かれ少なかれ、目標を持っています。
ある人は、自分が考える理想の美少女との恋愛を描く為に、日々研鑽しているかもしれません。
ある人は、画期的なトリックで、読者の推測を華麗に欺こうと思っているかもしれません。
ある人は、逆ハーやBLを世界に供給したいと思っているかもしれません。
ある人は、伝説の英雄の伝説を語り継ごうという義務感に駆られているのかもしれません。
目標を立て、そっちの方角を見つめる時、自然と道が浮かんできます。一歩一歩前進し、障害物を取り除き、努力を続けていると、ついに道の先にたどり着くことができます。そこにはまったく新しい風景が広がり、あなたは次の目標を立てることができます。
努力には、長い時間がかかります。私の場合、初期の連載作品から数えると、ここまで来るのに一年半ほどかかりました。
しかし小説を書くというのは一生の趣味です。少しばかり、努力するだけの価値があると思います。