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三題噺もどき5

公園にて

作者: 狐彪
掲載日:2026/03/30

三題噺もどき―はっぴゃくよんじゅうなな。

 




 柔らかな風が吹いている。

 それでも、晴れた今日の日は少し暑い。

 夏でもないのに、少し汗ばんでいる。

「……」

 近くの公園に来ていた。

 ようやく咲いた桜は、もう既に散ろうとしている。

 満開とは言えない気がするが、写真を撮る分には充分だ。

「……」

 私はあまり、引きで撮ることはない。

 だから、多少散り散りにさいていても、散り始めていても、あまり関係なかったりする。そりゃ、満開に咲いていた方が、アップにしても映えはするんだけど。

 この辺りの桜には、時折ハチも飛んでいたりするので、それと一緒に撮ろうとすると、あまり多すぎでも探せないし。

「……」

 公園には、花見にでも来たのか、所々に家族連れが見える。

 木の下に、レジャーシートを広げ、小さな子供がよちよちと歩いていたり、楽しそうにおしゃべりをしたりしている。

 公園には遊歩道のようなものもあるので、そこらを歩いているご老人や、犬の散歩をしている人も居る。

「……」

 月曜日ではあるが、まぁ平日が休みの人だっているだろう。サービス業の人とか大体そうじゃないんだろうか。母も一応、日曜日は休みだが、もう一日の休みは平日にある。

 働いたことがない私には分からないけれど。

「……」

 それに、今のご時世別に働き出る必要がない人だっているだろう。

 家で自分の好きな時間に好きなように働く……なんていう夢のような話がホントにあるかどうかは知らないが。

 そういう働き方に成功した人は、平日のこんな時間でも好きに動けるだろう。

「……、」

 一瞬、強い風が吹いた。

 川沿いにあるこの公園は、時折こうして風が吹く。

 おかげで帽子が持って行かれそうになったが、寸でで飛ばずに済んだ。

 マスクもしているから、他から見たら完全に不審者だな……服だけでも明るいのを着てきてよかった。

「……」

 マスクも帽子も、何も考えずに黒を付けてきたから……。

 とは言え、服もグレーなだけで、暗いことには変わりない。

 まぁ、誰も、こんな奴気にもしていないだろうけど。

「……」

 見上げると、桜が水色の空に広がっている。

 桜の写真を撮りに来たのだから、さっさとしてしまおう。

 なんだか、言い方がよくないが、こうして写真を撮ることは好きなことなのだ。

 これを仕事にしたいとまでは思わないけれど。

「……」

 その前に、喉が渇いた。

 ので、ここに来るまでの自販機で買った、オレンジジュースを飲む。炭酸が飲めないと、自販機で買えるものも少なくなるので、面倒だ。かと言って、コーヒーとかの気分でもなかったから、仕方なくオレンジジュースを買った。

 少しぬるくなったせいで、甘さがのどに絡んでいく。

 オレンジジュースとは言うが、ほとんど甘味料で出来ているようなものだろから、仕方ないんだろうけど。

「……ん、」

 少しだけ、喉の気持ち悪さが残った。

 気にならないと言えば気にならないが。

 いいやまぁ、さっさと写真を撮って帰ろう。

「……」

 カメラを構え、頭上に咲く桜を撮る。

 今日がよく晴れてよかった、雨が降ったり曇ったりしていると、外に出る気にもならないから、桜を撮るどころではなかっただろう。

「……」

 雨なら雨で、その時の写真が取れるので、時にはいいのだけど。

 カメラが濡れると普通に困るし、どうにも雨の日は頭が痛くなったり気分が落ち込んだりする方なので、動く気にもならないのだ。

「……」

 面倒な体なものだと自分でも思う。

 月に一度訪れるあの日々も、腹痛に襲われたり腰痛に襲われたり。

 私はまだ動けるので、さほど重いとは思っていないが……これ以上とか耐えられない。世の女子は大変だ。

「……」

 それはさておき。

 写真を撮ることに集中しよう。

 あの子がいればもっとよかったが、そんな我がままは言えまい。

「……」

 学校で撮れたら、撮らせてもらおうかな。











 お題:帽子・夢・甘味料

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