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AI小説のこととか、小説以外のこととか、考えました  作者: こまの柚里


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3/4

AIと文明のこと

 大昔に読んだSF漫画で、いまでも印象に残っているシーンがあります。

 超能力者たちの能力を評して、作中人物が言うか思うかするシーンなんですが(そのあたりは覚えていない)、こういう内容でした。


「千里眼があれば目はいらない。テレパシーがあれば口はいらない。念力があれば手はいらない。瞬間移動できれば足はいらない。だから人間にとって、超能力というのは退化だ」

(萩尾望都さんの『スターレッド』かも? 違っていたらすみません)


 納得すると同時に、とても怖いと思いました。

 で、機械が人に成り代わるようなケースを見るたびに、それを思い出して漠然とした不安を感じていたんですが……AIの登場は、その不安の最たるものでした。


 考えたり決断したりする作業を機械がやってくれるなら、脳は──。


 これはもう小説だのなんだのに関係なく、文明の問題として。

 AIとは何なのか。どんな影響を文明にあたえるのか。考えると、真剣に怖い。


 AIだけで満足して、人間同士の交流ができなくなるんじゃないか。

 頂点に立つ優秀な人間たちと、自力では何もできない大多数の人間たち、なんてことになるんじゃないか。

 芸術分野もAIが主流になり、人間の創作レベルが著しく下がるんじゃないか。

 大半の仕事はAIがこなせるようになり、人間にまわってくるのはAIができないこと、つまり肉体労働しかなくなるんじゃないか。


 本当は、危険な肉体労働こそ機械に担ってもらいたいんですが。

 毎日危険な場所で作業をしている方々にこそ、機械の助けが必要なはずなのに……。


 その一方で、うまく折り合ってより良い社会になるのではないかという可能性も、もちろんある。

 

 たとえば車ができたから歩かなくなり、現代人の脚力は昔の人より明らかに落ちている。これは退化ですよね。

 だけど、車の存在はもはやなくてはならないものだから、恩恵は弊害を上回っていると思います。車がなければ物流が滞るし、救急車も消防車も呼べないし。

 

 芸術分野に関していえば、たとえば写真という技術が一般的になったとき、絵描きはさぞ辛かったでしょう。仕事もなくしたことでしょう。

 でもいまは、両方が別の分野として認められ、ちゃんと存在している。

 AIもそんなふうに、住み分けができるかもしれない。


 AIがこの世に現れてしまった以上、それをなくすことはもうできないわけなので。

 本当は開発者の襟首つかまえて「どういうつもりで開発したの?」と問いただしたいところですが、それもできないので……。


 もはや私が願うことは、ただひとつ。

 AIが存在していることで、世界がより幸せになるようにしてほしい。たとえ弊害があっても、恩恵がそれをはるかにはるかに上回るようにしてほしい。

 世の中が良くなるようにしてほしい。幸せだと感じる人が、今より多くなるようにしてほしい。


 究極の望みを言えば……戦争のない平和な世界にしてほしい。幸せな世界って、結局はそれだと思うんです。

 機械化が進みAIが登場して、たとえ人間の体力が落ちてしまっても、芸術レベルが低下してしまっても、知能自体が下がってしまってさえも。

 戦争のない平和な世界が実現できれば、それが進化と呼べるのではないかと──。


 翻っていまの世界はどうでしょう。AI搭載無人機で攻撃、とかいうニュースを聞くと、やりきれない気持ちになります。


 どうか世界が、退化でなく進化の道を進みますように。



 AI小説について書くつもりだったエッセイですが、いろいろと思いがふくらみ、長くなってしまいました。

 でも、書いていくうちに頭の中を整理できたので、自分としては満足です。

 書く過程で思いついたことがたくさんあり、それを文章化できたことに達成感も感じます。


 これはもちろん、自分の力で書いたからこその満足感、達成感! 

 やっぱり、この楽しみを機械に譲ることはできませんね。



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― 新着の感想 ―
AIと人間は一体化すると言ってる人がいるようです。(血液からナノコンピュータを流し込んで脳に到達させる) それで知能の飛躍的な向上が起こって、ユーモラスになり、素晴らしい音楽、アート、文学を生み出せる…
知的労働を代替するAI技術の進歩より、いち技術屋としていろいろ考えるところがあります。  そもそも、文明は何のために作ったんだっけ……。  野生で繁殖できないひ弱な人類が、子を産み育てる母親を守るた…
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