story21 女同士の争奪戦の幕開け?
「そうなの? そう言えば前に店長さんが解説していたな。僕は、初日から店長さんに好かれていたみたいで、話してくれたんだけど基本的には、従業員の方でもからあげちゃんを食べようと思ったら半額の税込108円は、出して買ってもらわないといけないって言ってたね! 」
すると古川さんがいきなり下を向きながら僕に言った。
「それじゃ、店長さんはお兄ちゃんに恋してるかもしれないね! だってお兄ちゃん優しいから惚れられるのも時間の問題だと思うからね」
「僕に恋はしてないでしょ? だって相手は毎日長時間頑張って働いている店長さんだよ! 」
「だからこそ可能性大なのよ! 毎日長時間頑張って働いていると言うことは、プライベートの時間がほとんどない訳だから恋をする時間も無いから、そこにお兄ちゃんがやって来て優しく接してあげられたりされたら惚れてしまうわよ。一つ聞いてもいいかな? 」
「うん、良いけどどうしたの? 」
「電話番号とかメールアドレスの交換とかはしてるの? それともまだしてない? 」
僕は、この質問に少し答えにくかったが、頑張って正直に答えた。
「店の外の裏側で店長さんから交換したいって言われたので、電話番号とメールアドレスの交換は、Bluetoothを使って既にしていてたまにメールのやり取りもしてます」
「Bluetoothを使って電話番号とアドレスの交換をしていておまけに店長さんからお願いされたとなれば、確実に恋してるに違いないね! これはお兄ちゃん、トライアングル関係になってしまってるよ」
「トライアングル関係は、困るよ! 」
「でも解決方法はあるよ! お兄ちゃんが私と店長さんどっちが好き? この答えがお兄ちゃんの中で決まっているのなら、本格的なトライアングル関係にはならずに終われるんだけど… 」
僕の中では、既に答えは決まっていたので正直に答える。
「僕の中では、決まってるよ! 」
「そうなんだ! それでどっちが好きなの? 気になるから教えて~ 」
「そりゃ古川さんの方が大好きだよ! じゃなかったら古川さんの彼氏になりたいなんて言わないだろ? 」
すると古川さんは、泣きながら僕にまた抱きついてきた。
「ありがとう♡ 私も新城くんのことが大好きだよ! じゃなかったら新城くんの彼女になりたいって言わないからね。 それに悲しいこととか辛いこととかも一緒に分け合いたいって言ってくれた時、すごく嬉しかったよ!これでトライアングル関係は無くなって争奪戦にもならずにスムーズに解決したね♪ 」
「そうだね! でも新城くん、本当に私の彼氏で良いの? 」
「もちろんだよ! って言うか古川さんじゃないとダメなんだよ」
僕が恥ずかしそうに自分の気持ちを伝えると古川さんも同じく恥ずかしそうにしながら自分の気持ちを伝えてくれた。
「私も彼氏は、新城くんじゃないと絶対にダメなんだからねっ! 」