story13 リリースイベント
「そうなんですか! 教えてくださってありがとうございます」
こうして僕と店長さんは、店の外の裏で電話番号とメールアドレスの交換をBluetoothを通して行ったのだった。
それから僕たちは、仕事に戻ってレジ打ちや在庫確認などを行った。
それから古川さんは、リリースイベントで色んなところを毎日回り続けてサイン会を開いたりを約3週間に渡り続けていきながら帰ってくるのが夜になってしまうことが多くなっていたが、そのリリイベも21日目の最終日を迎えた。
そして車で移動しているときに古川さんは、こう思っていた。
やっと今日で長いリリースイベントが終わってくれると思うとほっとするよ。
毎日午前中には、家を出て日によって異なるけど、時には車に乗ったり、時には新幹線に乗ったり、また時には飛行機に乗ったりしてって言う日々が続いていたからね。
明日からは、お兄ちゃんと話したり出来る時間が再び出来ると思うとこの最終日を乗りきれそうだね! よし、今日も頑張るぞ!
するとマネージャーの人が古川さんに話しかける。
「リリースイベントツアーも今日で終わりだから頑張ってくださいね」
「はい、分かりました! ありがとうございます」
それから古川さんは、自身のDVDリリースイベント最終日と言うこともありお客さんの列は長い列になっており、一人一人のお客さんと握手とサインをするのは、すごく大変なことであった。
それでも嫌な顔ひとつすることなくアイドル顔負けの可愛らしさをお客さんにアピールしていった。
「それでは次の方、どうぞ! 来てくれてありがとうございます! 」
すると長い時間待っていたお客さんが嬉しそうにしながら前にやって来て握手の要求をしてきた。
「握手お願いします! 」
そしてその方と握手をしていたときに古川さんは、あることを感じていた。
触れた瞬間、少し手がねちょねちょしてきた! この人、不潔で気持ち悪いタイプの人だよ
しかしこれも仕事であるため古川さんは、頑張って握手をしてからサインもしてあげたのだ。
「はい!サインになります! 」
「まいたん、ありがとうございます! 大切にするよ~♪ 」
古川さんは、笑顔で対応しながらもこの時こう思っていた。
何がまいたんだよ! ねちょねちょするのも私の手につけさせたくせに! はぁ~いつかお兄ちゃんにまいたんって呼んでもらえたいな~ 必ず私のものにするんだからね!
それから約1時間、来てくださったお客さん全員に対しての握手とサインを繰り返していきようやく最後の一人が終わり、長い長いリリースイベントが無事に終わった!
よっしゃ、ようやく長い長いリリースイベントが終わって明日から少しの間は自由になれるぞー!
こうして古川さんは、少しの間ではあるが、辛い仕事から解放される日々がやってくる。