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月夜譚 【No.201~No.300】

小さなヒーロー 【月夜譚No.242】

作者: 夏月七葉

 おまけ目当てでお菓子を買ったが、正直言って美味しくない。口の中に放り込むと噎せ返るような甘さだけが広がって、飲み込んだ後も甘ったるさが残って水を含まずにはいられない。

 しかしまあ、それも三口程度のものだ。欲しかったおまけも手に入ったし、良しとしておこう。

 学ラン姿の少年は、透明なビニール袋に入った小さな人形を夕陽に掲げて、そっと微笑んだ。

 毎週日曜朝に放送されている、戦隊もののヒーロー番組。幼い頃から好きでよく見ていたが、シリーズが変わって今は何作目だったか。

 登場人物や設定が変わっても、あの空気感や昂揚感は変わらない。いつでも心を熱くさせてくれるヒーロー達は、日常の鬱陶しさも忘れられる。

 中学生になって羞恥心を覚え、周囲には話せない趣味になってしまったが、自分にとっては大切な、支えてくれる存在である。

 手の中の小さなヒーローが、眩い夕陽の中で笑った気がした。

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