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第4話 僅かだが前進したのか……

 夢から覚めたという事は即ち、死んでしまう事象が起こったと見ていいだろう。


 なんだよ! ぬか喜びさせやがって!


 死ぬのを回避出来たと思ったら、次の瞬間にまた死んでしまうなんてあんまりだろう!


 なんて起き抜けに暫く憤っていたが、段々と落ち着いてきて頭が働くようになってきた。


 いや、良く考えてみれば弓を撃つ時には二の矢、三の矢を続けて撃つってのは、まあ常識の範囲内だろうな。


 だけどあれだよな。胸を撃たれて死を実体験した時には、頭に矢を受けていた様子は無かったと思うんだが。


 あぁ、そうか。胸を撃たれた時の事を良く思い出して考えてみると、何となくその理由に思い至った。


 あの時、俺は撃たれた胸を庇うように背中を丸めてその場にうずくまっていた筈だ。


 だから、続けて撃たれていた矢を偶然避けていたという事なんだろう。


 だからなんだと言われれば、それまでなんだけどな。


 まあ、あの場面の詳細を知って置く事は、今後の事を考えれば無駄では無いだろう。


 で、だ。今後の方針をどうするべきだろうか。


 うん? 分からんか?


 今のままの対策では、死の回避は望めないと分かったからな。


 小手先の対策で一の矢を避けても、次の瞬間に死んでしまうのなら意味なんて無いだろう?


 そんな事にうだうだとこだわって繰り返しやっていても、時間の無駄になるのは目に見えている。


 ここは、もっと根本的な対策が必要だ。


 即ち、このいざこざの衝突自体を、なんとか避けるようにしないとならないという事だ。


 死ぬ様な戦い自体が起きなければ、俺に死は訪れないだろう。


 そこを何とかすれば良いとは思うんだ。


 だがなぁ。この衝突って夢の中の俺にとってはいきなり降って湧いたように起こって、原因についても全然分かっていないんだよなぁ。


 唯一分かっているのは、相手側は隣の領地に属する隣村で、今まで別段仲が悪かったとかいう事は無かったと思うんだよ。


 まあ? 俺の知らない所で、何か事が起こっていたという可能性は多分に在るとは思うんだが、領主の親父も事が起こった時に大層驚いていたのを見るに、何も予兆とかを掴んではいなかったんだと思う。


 情報の集まる領主に分からん事が、特に隣村に気を配ってなどいなかった俺に分かる訳がないのに、どうやって事前にこれに対処出来ると言うのか。


 これは、アレだね。もう無理じゃね?


 イヤイヤ。ここで諦めたら、太ったおっさんの言うように試合終了だし!


 まだだ! まだ終わらんよ!


 取り敢えず、まだ時間的な余裕は有るんだし、何とか挽回出来る手段を見つけるしかないよな!


 まあ、それが簡単に見つかれば、世話は無いんだけどねぇ。





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