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第1話 繰り返し見る夢の中で……

 俺の名前は【真関 裕二】だ。


 しがない三流大学の工学部の二回生をやっている。


 特にこれといった特技とかは持ってはいないが、俺には他人とは少し違う特徴があった。


 もったいぶって言うほどでも無いが、それは夢を見る事だ。


 それも同じ夢を何度も繰り返してだ。


 他の夢等は一度も見た事は無い。


 その状況が異常な事態だという認識はかなり成長してから気が付いたが、気付いた時にはもうそれが当たり前の事だと思っていたから、特に混乱したとかは無かった。


 他の夢を見ないという事がなんだというのかと、当時は訝しく思っていた位だ。


 まあ、その辺の事は今はどうでもいい。


 今問題なのは、その夢の内容に関しての事だ。


 繰り返し見ていると言った夢の内容について説明すると、大体こんな感じになる。


 舞台は良く聞くいわゆる剣と魔法の世界のようで、俺はそこで地方領主の長男のようだ。


 俺には父と母がいて、気づいた時には姉がいて、次に弟ができたらしい事が分かっている。


 家族仲は良くて虐待とかが有る訳でもない、ごく普通の家庭で羨ましい位だ。


 俺もこういう家に生まれたかったと常々思うよ。


 兎も角、そういう感じで成長して青年になった頃に、理由は良く分からないが何か小競り合いのような武力衝突が隣村との間で唐突に起こった。


 俺も領主家の長男をやっている関係で、親父と共に戦いの先頭に立って部隊の指揮をしていたら、どこからか飛んで来た矢に胸を射抜かれたっ!


 と、思った瞬間にいつも目が覚める。


 まあ、こんな様な夢を見られるというのが羨ましいと感じる奴もいるとは思うが、俺にとっては特別な事でもなかったしな。


 だが最近になって、夢の内容のある部分がちょっと気になり出した。


 それは夢を見始める起点となる時点が、段々と先へと変移しているという部分だ。


 つまり、夢の中で過ごす時間がどんどん減少している訳だが、俺はその事に気が付いた時には、特に問題視していなかった。


 それどころか、見飽きた夢の前半部分を見なくても良いなんてと歓迎すらしていた。


 しかし、最近になって夢の中の時間が僅かになってきてから、ちょっと怖い考えが頭を過った。


 これ、夢の中の最後の時点まで起点が移動したら、その後俺は一体どうなってしまうのかってな。




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