詩人の願い
にわか詩人の僕たちは
いつもの場所で落ち合った
孤独によって刻まれた傷を舐め合い
鉄の味にそっと顔をしかめて
ドブネズミが美しいだなんて
生易しく語らないでほしい
昨日見かけたあのゴキブリを
あんな目で見てたクセにさ
すれ違う人たちに
相手もそうだと決め込んで、作り笑顔見せる
君の前で見せている顔と
何か違いはあるんだろうか?
けっきょくはまだ、素直になれない
人は僕らを同志と呼ぶけど
情けないけど、認めるよ
僕らの方が嘘つきだ
にわか詩人の僕たちは
知らず知らずに心を閉ざしてく
孤独によって刻まれた傷が
この場所でも増えていく
笑顔と優しさが幻想で
怒りと虚しさが真実だなんて
そんなことはあるわけないのに
歪んだ心に水を与えてる
一重まぶたのコンプレックスを
今でも君は気にしているんだろう
横断歩道を渡る人波に
そんな気持ちをぼやいてた
にわか詩人の僕たちは
いつでもまた、許し合えるさ
孤独によって刻まれた傷は
僕とあなたと、あの人と
まだ見知らぬ人とも繋がり合える
大切な絆の一つだから
幸せそうな人を見かけたら
一緒に小さく笑ってる
そんな僕らでいられるよう
今は寂れたこの場所で
精一杯、願ってる
苦しそうな人を見かけたら
一緒に手をさしのべる
それが汚れた手だったとしても
君と僕の顔が、自然と向き合った時
一緒に小さく笑ってる
そんな僕らでいられるよう
そんな僕らでいられるよう
今は寂れたこの場所で
精一杯、願ってる