ここはどこでありんす
これは平凡で退屈な人生をおくっていた俺が経験した不思議で奇妙なある夏の物語…
『明日から夏休みだが気を抜かないように』
右の耳から左の耳へと通りぬける教師の定例文を聞き終える前に俺は今年の計画を練っていた。
高校最後の夏休み計画!!と大きく書かれたノートに思い付くかぎりの欲望を書きなぐっていた。
『ねぇ!ひろし~』
後ろの席から幼なじみのユカが声をかけてきた。
『んだよ?今忙しいの!』
俺の突き放した言い方に一瞬ムスッとした表情をした ユカだったが昨日発生したニュースについて語りだした。
『ねぇ?知ってる?昨日学校の裏にある山の洞窟から大昔に作られた首飾りが見つかったんだって~ちょっと見に行ってみようよ!』
考古学とやらに全く興味もない俺は用事があると断ったが幼なじみの強引さに負け夕方に学校に集合することになった。
『サクッと見て帰んぞ』
『わかってるわかってる』
そんなありふれた会話を済ませた後、俺達は関係者以外の立ち入りを禁止しているロープをくぐり抜け洞窟へと足を踏み入れた。
『なんか…ちょっと怖いね…』
ユカが怖いと言ってきたせいで少し怖い気がしてきたものの怖くないと強がり進んで行くと小さな光を感じた。
『ユカ…なんだろ?これ?』
その声に反応したユカが振り向くと強い光に包まれた。
『ここはどこでありんす?』
そこにユカに似てはいるが着物の…とても綺麗な女の人が立っていた。
『え?ユ?ユカ?』
そして俺の声に反応した女の人がこちらを振り向き声をかけてきた。
『わっちはユカではありんせん。遊郭の花魁…涼風太夫でありんす』
『お、お、お、花魁??』
『そぉでありんすが?』
次回。現代に降り立った花魁!
花魁から見た現代は何もかも不思議の国でありんす~
そんなこと言われても困りんす~な問題勃発?
そして幼なじみのユカは?
いったいどぉなる俺の夏休み!!