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でも逆らうと面倒だから出てくわ。はいはい、今までありがとうございました~。それから数日後、辺境の村にある食堂で俺は戦士らに料理を振舞った。誰もがこう言う。「こんな美味い飯食ったことねえ!力が漲る!!」
ある戦士にはナポリタンに《攻撃力アップ》を、ある賢者には野菜スープに《魔力値アップ》を付与してやった。おかげさまで此処の食堂は大繁盛。皆が落としてくれたお金でウェイターを多く雇えるようになり、俺は晴れてそこの料理長へと昇格した。
一方、母国はというと――。
「うぇっ、何これ。くっそまず!!」
「おい、この《鑑定》ってヤツLv1じゃねえかよ」
「しゅ、しゅみましぇん!! しゅみましぇん!!」
「ええい、あやつを呼び戻せ! ジョニー、お前はクビだ! あと赤ちゃん言葉を使うな!!」
「ふ、ふぇえ~~~ん」
今さら『戻って来い』と言われてももう遅い。
fin.
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