○○しないと出られない部屋 3 (王太子視点)
目を覚ますと、クリスと共に見慣れぬ部屋にいた
さらわれた、か?
いや、そうだとしたら拘束されていないのはおかしい
私は色々と考えようとしたけれど、クリスが目を覚ましたようなので声をかけた
少し考える素振りをした後クリスは私に、ここはどこかと聞いてきた
…私も知らないよ?
もしかして、私を疑っているのかい?
それを問い詰めるのは、この部屋を出た後でいいか
そう考えた私はクリスに声をかけ、出入り口であろう扉の前に来た
無駄に大きな扉の中心に、字が書かれた紙がはられている
『○○をしないと出られない部屋』?
何だ?何をするんだ?
「クリス、何かわかる?」
自分で考えても何も分からなかったからクリスに聞いたけど、これは何か知っているな
わからない、と答えたけど目が泳いでいる
「クリス?
何か心当たりがあるんだね?」
「ないです!
ないです〜!」
ふふ、かわいい
涙目で否定しちゃってさ
そんなの、何か知ってるって言ってるようなものだよ?
さらに問い詰めようと思ったのだけれど、クリスが部屋の中を調べ始めたから、それは後にすることにして私も周りを調べることにした
「クリス、何か見つかった?
私は特に何もなかったよ」
この部屋で脱出の鍵になりそうなものを私は見つけられなかったけど、どうやらクリスは何かを見つけたみたいだね
何もなかったって言ってるけど、本当にわかりやすいなぁ
「クリス?
私に隠し事をするの?」
もう少し聞いてみたら教えてくれるかな?
そう思って少し問い詰めるように話しかけたら、クリスは私の名を呼び、屈んで欲しいと言ってきた
いきなりどうしたのだろうか、と思いつつクリスの言葉に従って屈むと、気づいたら唇に柔らかい感触
目の前にはクリスの顔
きっと、自分の顔は驚愕を浮かべているのだろう
そんなことを考えていると、いつの間にか王宮の自分の部屋にいた
ベットに横になっていることに気づき、思い出す
昨夜は確かにここで眠った
つまり先程のは夢だったのだろう
あのような夢を見るとは、いっそうクリスのことが愛おしくなった
でも、そうか、クリスからのキスか
……いいな
クリスは恥ずかしがり屋な所があるから、自分からキスしてと頼んでも絶対にやらないだろう
だが、夢なんて言う俺の願望だけでなく、現実でもさせたい所だ
夜、クリスの部屋を訪ねてみるか
そして、夜がやってきた
今日は1度もクリスに会わなかったけど、そんな日もたまにある
今夜はそれを理由にクリスの部屋を訪れた
「突然ごめんね
今日会ってないから顔を見たくなってね」
ん?
「クリス?
どうしたの?
顔が真っ赤だけど…」
一瞬熱があるのかと疑ったけど、私の顔をチラチラ見るあたり、そういう訳ではないのかな?
「き、気にしないで下さい!
少し変わった夢を見たことを思い出してしまっただけなので!」
ふーん
変わった夢、ねぇ?
それを思い出して顔を赤くするってことは、ただの夢じゃないんだろうけど?
「変わった夢?
奇遇だね
私も不思議な夢を見たんだ」
「どのような夢なのですか?」
返事をし、私のことを少し話してやるとクリスはすぐに食いついてきた
自分の夢から話を逸らしたいんだろうなぁ
でもクリス?
クリスにとっては残念ながら、私の夢の話はクリスが恥ずかしくなるだけなんだ
まぁ、聞きたがっているから言うんだけどね
「何かをしないと出られない部屋にクリスと共に閉じ込められていたんだ」
そう言って夢の話をし始めると、クリスは驚いた顔をしていた
そんなに驚くことがあったのだろうか、と思いつつ私はそのまま夢の話の続きをする
「何をしないといけないのかは私には分からなかったけど、夢の中のクリスはわかったのかな?
いきなり私にくち」
「わぁぁあぁぁぁ」
クリスから私にキスをした話をしようとすると、遮られた
どういう原理なのかは知らないけど、夢の中にいたあのクリスはこのクリスなのかな?
それから私はクリスを誘導して、クリスと私は同じ夢を見ていたのだと確信した
「ねぇクリス?
俺たち同じ夢を見てたみたいだね?」
「ソ、ソウデスネ」
正面から迫る俺から逃げるために後ろへと下がっているけど、もう壁だよ?
あ、壁に背をつけた
前は俺、後ろには壁
クリスは横から逃げようとするが、壁に手をついて道を塞ぐ
「ふふっ、追い詰めた」
怯えてるクリスはとてもかわいい
そんな怖がられるともっといじめたくなってしまう
「クリスはなんであの部屋を出る条件がキスだと思ったの?
というか、初めからわかってたよね?」
クリスは俺の質問に答えず黙り込んでいる
まぁ、そんなのは許さないんだけど
「ほら、クリス
教えてよ」
2回目の問いにも一向に答えないクリスに、俺は選択肢を用意した
「1つ、このまま俺に何故キスだと思ったのかを言い、クリスから俺にキスをする」
ちょっと内容足しちゃった
クリスも驚いた顔してる
「2つ、クリスから俺にキスをする」
すっごく嫌そうな顔をするクリス
「さて、クリスはどっちを選ぶ?」
どっちを選んだところで俺としては美味しいんだけど…
クリスは悩みに悩んで私にキスをした
そしてそのまま気を失った
気を失うのはさすがに予想外だったな…
私はクリスをベットへと運び、そのまま自室へと戻った
今日はいい夢が見れそうだ
計画性がなくてすみません
猫の日なんて言うイベントを何故忘れていたのでしょかね




