001. 出会い。
(良い年にもなって何故悩むのだろう…)何度も片隅でぼやいていしまう。頭を抱えつつもモヤモヤ悩みながら夜が更けていく…
忙しさを理由に人を好きになってはいけないとずっと思い込んでいた20代があっという間すぎて、もう30代も半ば過ぎた頃にふとしたきっかけで仲良くなった子。
現状に悩みつつ後一歩を踏み出せない回想録。
東京の大きめな会場で好きなバンドの10周年アニバーサリーライブが開催されるので、当日朝グッズを買いに並んだ時に近いところに居たのがきっかけだった。
ファン仲間と言うのはちょっとしたきっかけで話に花が咲き易いもので、バカ話にすぐ盛り上がるのは良いものだなといつも感じるところ。
「アニバの次のツアーどこから開始でしょうね~今日ツアー発表ですかねー?」右前に並んでた小柄な子に声を掛けられた。
「うーん前回は東京からでしたし、故郷の名古屋スタートも有るかもしれませんね。今日発表だと春から夏に掛けてでしょうし。」「私は大阪だからたまには大阪スタートして欲しいなー、ファイナルでも良いですけどね~」軽く笑った感じが何か印象に残った。会話が弾み時間が過ぎるのが早く感じてあっという間に順番が来ていつもに比べて待つのが苦じゃ無かったなと。
無事に買えたーとほっとした少し後
「買いたいのは無事買えました?」買ったグッズの整理が済んだらしい彼女から声を掛けられた。
「無事買えました!ついつい買い過ぎちゃいますけどね~(笑)」「そこは仕方ないです。オタクですからねー(笑)」
オタクと言う事を目指したわけではなかったけど、仕事から趣味に舵を切ったら思った以上に嵌ってしまったと言うのが真実で結構この感じの人は多いのでは無いかなと思う。
彼女は真由美さんと言うらしい。大阪からライブのために遠征してきたそう。東京に来る事自体はもうかなり慣れているそうだ。
ツイッターなどもやっていると言うことで見せてもらってサクッと交換。ショートが似合って今日のバンドグッズのリュックでアクティブに決めてる彼女は、気さくで話しやすいなと言うのがその時の印象。
「個人的には『恋花火』が最高!」「『恋花火』も良いですけど、俺の一番は『月見る丘』ですね!でも『with..』の2番は何か印象に残るんですよー」「分かりますー2番の歌詞とサビが譲れませんね」ファン特有の熱量はお互いに凄いもの。
本番のライブまで3時間以上有ったけどお互いにする事も無いので会場周辺を散策や撮影をしつつ雑談に花が咲いた。
「じゃあ開場だしそろそろ行きますね~」名残り惜しいなと無意識に「終わったらまた少し話せると良いですね!」つい言ってしまった俺。「そうですね~じゃあ終わったらこの辺に居ますね~」何か嬉しいと思ってしまった。勿論ライブは楽しいし他意無く来てたけれども、ちょっと壁を感じて居る部分が有って少し悩んで居た時期なのも有ったかも知れない。
10周年ライブはそれはそれは盛り上がって大盛況のうちに閉幕。祭りが終わるのは早いなと独特の熱気と気だるさを感じながらさっき解散した場所へ。
見当たらないなあ。席の位置的には彼女が先に来てると思ったのだけどなあと。遠征だし帰ったかな?まあ仕方ないかと思い始めた数分後「お疲れ様ですー待ちました~?」後ろから声が掛かった。「いえいえ今丁度抜けて来た所です!」妙にテンションが上がった。ライブ後なのに何か元気になって現金なものだなと自分の中で苦笑。
「何時に帰るのですか?」「今までは新幹線だったですけど、今回はバスにしてみたので24時新宿です~でもバスタは初めてなんです(笑)」バスで遠征とは凄いなと思ったりしつつ、「ならば少し時間有りますし新宿は家も近いので案内しますよー」何か頼りがい出そうとする自分にちょっと意外な感じを覚えた。
新宿に限らないとは思うけど、慣れてない人にとってみての初めての場所は中々面倒なもの。と言い訳しながら乗り継いで移動。まあ偉そうに言いつつバスタそのものに来るのは俺もその時が初めてだったのだけど、一応新宿は強いのでと強引に(途中遠回りしたけど。。)任務完了。
「ここから上がればすぐですよー」「ありがとう御座いました!」完了しているのだからと思いつつもダメもとで「まだ少し時間有りますし食事でもしません?」とつい一声「良いですね~」気さくに応じてくれた彼女。嬉しい!と思いつつちょっとした肉系のレストランへ。
女性と二人きりの食事に少し舞い上がった気持ちで席へと移動。
今日知り合っただけだし他意は無く(多分)もう少し話をしたくなったのが本音。
お酒は飲めない訳では無いけど飲まない習慣が身についている俺と、お酒が飲めない彼女。
周りは出来上がっている人ばかりでソフトドリンクの二人は目立つかな?とおもったら彼女も同じ事を思ってか(何か目立ちますよね~)と言う見回してのアイコンタクト。何だかちょっとした事が嬉しい。
小柄な彼女だけど思ったよりもしっかりと食べていてこれも好印象。気にしすぎて小食な人は増えていると思うけどやはりしっかり食べているのを見るのはやはり性別問わず好きだなと思ったり。
ライブの感想とかで盛り上がりつつお開きへ。乗り場近くまで送って行ってこれもダメもとでLINE交換を聞いてみると「良いですよー」と快く応じてくれた。「またライブ会場で~」「バス道中お気を付けて!」最後に乗る時にハイタッチで別れた後一人になった時思ったより寂しさを感じたりして色々想像以上な10周年ライブの日になった。
初投稿です。下手でも一歩目を踏み出さないとなので投稿です。誤字脱字やご意見お寄せ頂けると幸いです。