白い世界と僕と共犯者
初めて投稿する自分の処女作となります。
拙い文章力と誤字が目立つかもしれませんが是非読んでいただければ幸いです。
誤字があれば教えてください。
投稿は不定期になります。極力早く投稿したいと思いますので、応援お願いします。
白い。白い。白く白くしろく………………
なんとも言い得ぬ浮遊感に包まれて僕は覚醒する。
まだしっかりと意識が目覚めず微睡みの中にいた僕はようやく脳を再起動させる。
(ここ………は………?)
白い世界。
無色で、、、何もない。
ボーっとしていた僕の意識がようやくこの世界の不自然さに気づき先程考えたことをもう一度反芻する。
(ここは一体どこなんだ?)
遅まきながらも鮮明になった僕の意識がこの世界を見渡す。
僕の視界に映ったものは………
恐ろしいほどに色のない無色の世界だった
この事態が異常であることに気づかない人はいないだろうが、その後の人が取る行動はなんだろうか?
この無の世界に対する寂寥感?
何もない世界に一人で放り投げられたことに対する怒り?
もしくは状況についていけず呆然とそこにいることか?
彼は違った。
(この世界は一体?ここはどこなんだ?そもそも僕は……あれ?僕は……)
彼は最初に疑問を感じた。それは人として正しい行為なのかもしれないが、普通の一般人がこのような状況下に置かれてしまった時、その人間は彼と同じような行動が取れるだろうか?
(………………っ!?)
激しい頭痛が彼を襲う。
(思い出せない…………)
もう一度ゆっくりと彼は過去を振り返る。
(分からない。分からない!)
(僕は誰だ?)
過去の自分は一体誰で、一体何をしていて、一体どうしてここにいるんだ!?
ズキズキと痛むこめかみを押さえようとして………
(手が………無い………?)
動かない手に不自然さを感じた彼は気づいてしまう。
手が無い。足がない。何よりも体がない。
(僕は一体?僕は一体?)
疑問が湧いてくる。
湧いてくる頭も脳もないのに、視界も感覚もないのに、意識すらないはずなのに、
僕の頭は疑問と焦燥でいっぱいだった。
ーーーーーーー
(あっ………)
ーーーーー
(なに………あれ………?)
ーーー
(僕を呼んでいるのか?)
ーーーーーーー
こんな何もない無の世界に一筋の光を見つける。
彼は無い意識をかき集める様にしてそれを凝視する。
それは………
輝いていた。
白く。この白い世界の中でも極まって。
浮いていた。
重力があるのかも分からないこの世界で束縛から解放されたかの様に。
正八面体がそこにはあった。
結晶。水晶。クリスタル。
そのどれにも当てはまる様な見た目の正八面体がそこにあった。
気づけば僕の意識はそれに釘付けになっていた。
引っ張られる手もないのに、伸ばす手もないのに、僕は自然とそれに近づいていた。
もしこの世界を見ている者がいるのならば、ソイツは一体この景色をどの様な心情で眺めているのだろうか?
嘲笑しているのだろうか?楽しんでいるのだろうか?呆れているのだろうか?
そのどれでも良いし、それ以外でも良い。
彼を眺めている君達はきっと否が応でも彼の生き様を見ることになるだろう。
君達傍観者が彼にどのような感情を抱くかは自由だが、
できればその感情が、彼にとって、
彼らにとって、
世界にとって、
私にとって、
良い結果に繋がることを期待………いや望んでいる。
では彼を共に眺めようではないか?
私の共犯者?
もう少しで触れる。
届く。届く。意識の先端があの結晶に………
――瞬間。
光が意識を包み込む。
暖かい光の奔流に飲み込まれ、揉まれ、グチャグチャにされて、
僕が僕を保てなくなる様な冷たさに囲まれる。
これは、記憶?
最初に感じたのは花の様な暖かさ。
次に感じたのは刃の様な冷たさ。
相容れない感情が僕を飲み込もうとする。
(これが、ぼく………?)
自分がどんな人間だったのか、自分がどんな人生を歩んだのか。
奇しくもその記憶は、彼が先ほど望んだ自分が一体何者なのかという疑問の答え………
の一部だった。
運命の特異点で、主人公である『瞬』の目覚めを確認。
◯◯通りの内容に収まっているのを確認。
共犯者の存在を確認。
今の所の精霊による妨害を確認………無し。