背壁前進
雨がやんだ後は
植物の根腐れを眺める
しおらしくなる種もあれば
轟々と元気で居る種もある
多過ぎる水は
選別作業みたいに
影響を与える
天候で排除されるのだ
もしくは
苦しめられ
進化を促される
いずれにせよ
弱い物は枯れるのだ
拾い集めた朽ちた葉を
太陽に当てれば
乾燥し分解されていく
虫の住処になりながら
最後は土になる
その上に
草が生えて
養分を吸収してから
花が咲く
今更ながら
回っている姿が
堂々と見えてくる
あの姿が
人にもあるから
自分を捨てられる
譲り渡した何かを
譲り渡された何かを
ずっと回していくのが
動物の営みでもある
我の強さに質が出る
愛情も金も回って
回転しながら良くなる
時間も想いも回って
回転しながら良くなる
筈だった
狂わせたのは誰かを
探しても無意味で
失敗を拾い集めに行く
分解して
使えるようにする為に
汗を流すのだ
それを
人と呼ばねばならぬのだ
土に変わるにおいは
なんとも言えない
残りの時間は
それしか出来ない
花が咲く間近は
花火を待つみたい
残りの時間は
それだけを楽しむしかない
言えたことは
消えていくから
時間の無駄には
耳を貸さない
今までの工程は
間延びしたんだから
我儘な人間が居る分
その仕事時間が
自分に上乗せされる
間違い無く起こることで
嘆いても
後ろは壁なのだ
語り継いだ何かを
語り継がされた何かを
ずっと回していくのが
人間の営みでもある
芯の強さに質が出る
狂わせたのは誰かを
探し出す時間は
もう無くて
問答無用で
失敗を拾い集めに行く
分解して
使えるようにする為に
汗を流すのだ
それを
人と呼ばねばならない
逃亡したいなら
逃亡したら良いが
その人達に
優しく構ってられるほど
隙間は無い
前進する行動のみでしか
語れないのだ