【海路編】 ベルタの襲撃
◆海路編
【あぶりマグロ亭のラウンジ】
食事の時。様々な服装の人がテーブルに着いて食事を取っている
ジェス:「(大爆笑)」
ジェス:「そりゃ、豪快なことで」
グレイス:「笑い事じゃないわよまったく」
ヒューマ:「ごめん、父さんをバカにされているみたいで。つい・・」
しょんぼりするヒューマ
ジェス:「いいぞ、その調子だ」
サーラ:「あの、演説をしていた、ひげだらけの人達は誰なんですか?」
ジェス:「ちょっと、ここじゃあ言いづらいな」
入り口の扉が開いて、入ってきたのは演説をしていたひげ面の男と、面布をした男。
ひげ面の男:「ここに、大衆をたぶらかす輩がいる。心理をゆがめる者がいる。我々は、そのような輩を排除する役目を負っている」
ジェス:「おいでなすったぜ」
グレイス:「面倒なことになってきたわね」
ジェス:「まったくだ」
指の骨をならすジェス
ヒューマ:「すまない、俺たちのせいで」
グレイス:「何かを主張するためには、ある程度の力が必要よヒューマ」
ヒューマ:「力が・・・」
面布の男:「諸君とはつくづく縁があるようだな」
面布を外すと顔中を覆う手形があらわになる
一同「ああ!」
そこにはヒューマが付けた手形のヤケド跡がある。
ヤケド跡を、まざまざと見せると、面布で顔を隠した。
ジェス:「オレ達に用があるようだが」
ジェスは椅子を立つ。
ジェス:「生憎、オレ達はあんたたちに用事はないんだ」
面布の男:「私も君に用事はない。用事があるのは、その少年だ」
ヒューマを指さす面布の男
緊張するヒューマとサーラ
面布の男:「私たちと来てもらいたい」
沈黙するヒューマ、サーラ、ジェス、そしてグレイス
ジェス:「理由くらい聞かせてもらえるのだろうな?」
面布の男:「理由を言ったら、引き取らせてもらえるのかね?」
緊張する両陣営。にらみ合いが続く。
両陣営の間をムチが床を走る。
一同:「!!!」
ジェス:「ベルタ」
入り口に立つベルタは、黒いムチを手に、黒いレザーのビスチェ、黒いレザーのイブニンググローブ、黒いレザーのタイトミニスカート、ピンヒールの黒のロングブーツ、金の土台にサファイアをあしらったアンクレット、裏地が赤いレザーマントの出で立ち。
両陣営に冷たい視線を投げて、双方の中央に進むベルタ。
ベルタ:「お前達、さっさと部署に戻りな。出航まで時間がないよ!」
鮮やかな、みずみずしい赤い唇から、とんでもないくらいの大声を出すベルタ。
ベルタ:「そこの二人!」
ジェスとグレイスの足下を打つムチ
ベルタ:「なにを人質と仲良く喋っている!さっさと倉に押し込みな」
ベルタがムチを両手に持って音を出すと、手下とおぼしき連中がどやどやなだれ込む
ヒューマとサーラを縛り上げるベルタの手下
ヒューマ:「やめろ!」
ジェス:「おとなしくしろ、この背徳者」
ジェスはヒューマをこづいて、ウインクをしてみせた。
抵抗するふりをして、おとなしく縛られるヒューマとサーラ
すまきにしたヒューマとサーラをかつぐ手下たち
ひげ面の男:「私たちの下手人に勝手なことを!」
ベルタ:「黙れ!」
ムチを一閃させて、ベルタは面布の男の肩口に向かって左足を振り下ろした。
かかとが面布の男の肩に乗る。スカートの中身が見えそうである。
ベルタ:「私のことは、知らないでもあるまい。水の民ベルタのことを知らないとはいわせない」
面布の男は、自分の顔の前にあるアンクレットを見る。
面布の男:「わかった。ここはあなたの言うようにしよう」
ヒューマとサーラは、すまかれたまま、その様子を見ている。
ヒューマとサーラ「すげえ・・・」
読了ありがとうございました。
海路編まだ続きます。