表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
太陽が昇らない国の物語(仮)  作者: 岸田龍庵
10/32

【海路編】 港町

ここから一時的にルートが分かれます

【海路編】と【陸路編】同時に掲載していく予定です。

◆海路編


【港町ポート・オブ・エリア 大通り】


 活気とモノがあふれる、港に直接つながっている通り。

 見たこともない異国の雰囲気に見とれるヒューマとサーラ

サーラ:「こんな場所初めてね」

ヒューマ:「山奥の村じゃあ、考えられないね」

ほとんど夜と同じなのだが、この港町だけは昼間以上のきらびやかな光りにあふれている。

 そこかしこにある文明の香り



ジェス:「船をチャーターしなくちゃな?」

ヒューマ:「船?」

サーラ:「船に乗るの?」

ジェス:「それと、水の民の協力もらわないとな。ちょっと時間かかるから、先に町の南東にある『あぶりマグロ亭』に行っていてくれ。

 俺の名前をだせば泊まれるようになっているから。お前達山育ちはたっぷり港町でも見学していきな」

サーラ:「失礼ね、人をおばけみたいに言って」

ジェス:「ははは、悪い悪い。じゃあ『あぶりマグロ亭』でな」



 異国情緒溢(いこくじょうちょあふ)れる町並みを散策(さんさく)するヒューマとサーラ

 二人は中央広場へと足を踏み入れる



【港町ポート・オブ・エリア 中央広場】


 黒山の人だかりができている。その中心に、ボロ布を()い合わせた服を着た、長髪にひげ面の()せ男3人がいる。



ひげ面の男:「いったい、いつからこの世界に太陽が昇らなくなったのか、覚えているか!」

民衆は水を打ったように静まり返っている

ひげ面の男:「なぜ、こんなことになってしまったのだ!」

民衆の反応を伺う

ひげ面の男:「そうだ、太陽の民が、太陽が持つエネルギーを独り占めしているからだ」



ヒューマ:「なんだって?」

ひげ面の男:「今こそ、やつらの勝手を許してはならない!過去のしがらみにとらわれてはならない。皆、指輪を捨て立ち上がるのだ」

民衆は呼応して一斉に(とき)の声を上げる

ひげ面の男:「かつて、神々は太陽の運行を確実なものとするために、生け贄(いけにえ)を捧げさせたという。今こそ太陽を独り占めしている奴らの血であがなおうではないか」

民衆:「(歓呼)」

ヒューマ:「俺たちが太陽を独り占めしているだって?」

サーラ:「そんなのデタラメよ!」

ヒューマ:「ウソをつくな!」



声を上げるヒューマとサーラに静まりかえる民衆。

ヒューマ:「太陽は死んじゃいない!また(よみがえ)るんだ」

サーラ:「そうよ、誰も独り占めなんてしてないわ」

ひげ面の男:「君は何者だ?」

ヒューマ:「俺はヒューマ。『太陽の子』だ」

ヒューマの言葉にざわめく民衆

ひげ面の男は背後にいる面布をした男に、聞いたことのない言葉で話しかける。なにやら頷いている男達



ひげ面の男:「よろしい。2人ともこちらにきたまえ。私が本当の神の言葉を教えてあげよう」

ヒューマとサーラの前を潮が引くように民衆が道をあける。

顔を見合わせるヒューマとサーラ。すると背後から手が伸びて二人の口をふさいだ。

グレイス:「すいませんね。弟たちがおかしなこといって」

ヒューマとサーラの間に顔を出すグレイス。口を押さえられてモゴモゴしているヒューマとサーラ

グレイス:「さ、もう晩飯の時間だから帰るよ」

強引に引き下がっていくグレイス

面布を外す男。顔を覆うように手形が残っている。

読了ありがとうございました。

まだ続きます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ