1日目
僕はムク
3歳の黒猫だ。
暇だから飼い主様の観察日記でもつけてみようと思う。
僕の飼い主様 みく
26歳の「おーえる」ってやつだ
飼い主様、なんて言ってるけど違うんだからね
僕がみくのために飼い猫をしてあげてるの
今日はみくがニタニタしながら何かを持ってきた
手に握られた小さな箱の中に何が入ってるのか気になって鼻をくんくんさせる
おやつかな?新しいおもちゃかな?もしかしてマタタビ!?
みくが何を持っているのか気になるけど僕はそこらへんの奴らと違って飼い主様に催促なんてしたりしない
ふーん、で?って顔をしてみくを見つめる
「ムク、尻尾が揺れてるよ」
ふふっと面白そうに笑うみく
ムクも気になるかーそうかそうかなんて独り言言ってるけど、違うんだからな
た、たまたまだ!
ミクが箱を開ける。僕も箱の中をのぞき込んでみる
中には真っ赤なリボンタイプの首輪が入っていた
「ムクの首輪大分汚れちゃったからね、新しいの買っちゃいましたー!」
みくは楽しそうだ
僕はというと何も見なかったことにしてそそくさとベッドに戻ろうとしていた
だって赤だよ?リボンだよ!?
「ムークー」
逃げようとしている僕を後ろからガバッと抱き抱えるみく
ああくそぅ、捕まってしまった
僕が嫌がる間もなく、みくはちゃちゃっと首輪を付け替えてしまった
うちの飼い主様はこういう時だけ動きが素早いんだから
「可愛い~!ムク!!似合ってる!」
僕が可愛いのなんて当たり前だろ?
僕はふんっとした顔をしていたけどみくは満足げにニコニコしている
本当はこれぐらいの首輪なら自分で外せちゃうけどそれはやめておこう
だってみくが凄く嬉しそうな顔してるから
果たしてこれを観察日記と言うのだろうか……という疑問もありますが気にしてはいけない( -ω- `)今回は恋愛ものとはすこし離れてほのぼのストーリー(のつもり)を