いつまでも君を待っている
ぼくはウサギ、目がまっか。
ぼくはウサギ、耳がながーい。
生まれた時からずっとおんなじ。
でもね、おじいちゃんに聞いたんだけどね。
むかしは耳がみじかくて、目も茶色かったんだって。
どうしてこうなっちゃったの?って聞いてもおじいちゃんは「もうわすれちゃったなぁ^^」と、何も話してはくれなかった。
どうしても気になったぼくは、パパとママに聞いたんだ。
そしたらおじいちゃんには昔、とても仲良しのカメの女の子の友達がいて、おじいちゃんはその女の子の事が大好きで、いつもかけっこをして遊んでたみたい。
でもある日、その女の子はある重い病気にかかってしんじゃったんだって・・・。
そして何も知らないおじいちゃんはいつものように、女の子の家に行って名前をさけんだんだ。
だけどいくら呼んでもへんじがない。
なんども呼んでいると、中から女の子のパパとママが出てきてこういったんだ。
ママ「ごめんなさいね・・あの子はお星さまになってしまってもう帰ってはこれないの・・・。」
パパ「いままであの子と遊んでくれて・・仲良くしてくれてありがとうな・・・。」
それからおじいちゃんは、まいにち欠かさず空を見上げ続けた・・・。
帰ってこない事なんてわかってた・・・。
でもあの子の事が好きで・・・。
会いたくて会いたくて・・会いたくて会いたくて会いたくて!!
気付いたら目から涙があふれ・・長いあいだ止まる事はなかった。
そうして空を見上げながら泣いているうちに目がまっかになって・・・。
いつかへんじが返ってくると信じて叫びながら、あの子の声が良くきこえるように、耳をピンとのばしていたらながーくなってた・・・。
それをぼくも受け継いだみたい。
そして・・・
おじいちゃんは今も・・・
耳をのばし・・
涙を流し・・・
空を見上げ続けている。