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まさかの

『姉ちゃん、今日は俺が姉ちゃんの学校まで迎えにいくから門のとこで待ってて。』


放課後、弟のたけるからメッセージが届いていた。



今日はたけると夕ご飯を外食ですます予定だったが、わざわざたけるから迎えに来てくれるなんて、何か特別なもので食べさせてくれるのだろか。



「え、沁音何ニヤニヤしてんの。」


気づくと隣で私を見て怪訝そうな顔をする望里が立っていた。


「たけると今からご飯食べに行くの〜♡」


「なんだ、沁音に男でもできたのかと。

って、あんたどんだけブラコンなのよっ、健くんは彼氏かっ!」



別にいいじゃない、ブラコンでも。


「望里は今から超絶イケメンとご飯でしょ。

せいぜい楽しんできて。」



「え〜ありがとう♡楽しんでくる〜♡」


私は皮肉のつもりで言ったのだが、望里は素直に嬉しそうだ。



「じゃあ、私はここでたけるを待つから。」


門のとこまで歩いて望里とさよならをする。


「え?そうなの。偶然!私もここで待っててって言われたの!」



はずだったが、どうやら望里もかのイケメン君とここで待ち合わせらしい。



「なんだ。じゃあ、もしかしたらそのイケメン君とやらの顔を拝めるかも。」



「好きにならないでね♡」



「心配ご無用。」



と、いうことで望里と男性陣を待つこと数十分。



「あ、彼からメッセージきた♡学校着いたって!え、どこどこ!」



「私もたけるからメッセージきてるー」



『今着いた。』


門のとこで待ってるけど、どこ?


送信っと。



私が送信するやいなや、近くで女子の黄色い声が聞こえた。



もしやこれは…



「「あ、たける」」

「君♡」「発見…」



女子に囲まれてこちらにやって来た男性2人。



しかし、彼らの正体は私の予想とは違っていた。



「え、待って望里。今たける君って…」


「うん?私が今日デートする彼の名前だけど…」



待て待て待て。


嫌な予感がする。



それに…たけるの横にいる男って…




「すばるーその横のイケメン誰ー?」

「すばるー彼女と別れてよ!」

「すばる今日うちらと遊ばない??」




神 崎 す ば る…だと?!




「も、望里…え、ちょっと意味がわからない。


だってたけるは今日私とご飯食べに行くって…」


「え、あの超絶イケメンたける君は、まさかの沁音の弟の健君だったの?!!!」



ただ今私達二人混乱中。



たける…お前まさかのダブルブッキングか??


お姉さん2人を惑わす気だったのか???



と、それより気になるのが健の横にいる人の存在。



「てか、何でたけると神崎すばるが一緒なの。」


私の疑問はどうやら本人が解決してくれるようだ。



「よっ、姉ちゃん。この人は俺の友達の神崎すばる君。で、姉ちゃんもよく知る、姉ちゃんのお友達の望里さん。今日はこの4人でご飯食べに行こう!」


「…」




「…」



私と望里は何が何だか分からない。



そして健の横に立つ神崎すばるはさっきからずっとニコニコしている。


周りにいた女子達はいつの間にか遠くにいてこちらを伺っている。




「たける。ちょっとこっちに来なさい。」



冷静さを取り戻してきた私はとりあえずニンマリ顔の弟の首根っこを掴んで隅っこへ連れていく。



「あんた、もしかしてこの為に今日は外食したいとか言ってたの?しかも望里まで誘ってどういうつもり?」



「ちょ…痛い痛い」


私が真剣な顔で問い詰めると、さすがに焦り出した弟、たける。


「いや、ごめんって。勝手にご飯セッティングして。


でも、普通に言ったら来てくれないでしょ?」



「どういうこと?」


たけるは神崎すばるの方をチラッとみて申し訳なさそうにしながら説明し始めた。


「…すばるさんが、姉ちゃんと仲良くなりたいって言うから…。でも2人きりで誘っても姉ちゃんは断るだろうと思って。


でも姉ちゃんの友達も誘って俺も行けばきっとOKしてくれるかなーって。」



なるほどね。


「じゃあ、望里とデートする気はないの?」



今も尚混乱中の望里を見る。


私も散々望里に皮肉を言ってきたが、たけるとの話が全て嘘だったとするとさっきまであんなにデートを楽しみにしていた望里が少し可哀想な気もする。


てか、超絶イケメンってお前のことだったのか。はぁ。



「うーん…サプライズ的な??

ほら、俺姉ちゃんの友達に会ったことなかったからどんな子が知りたくてさ。色々メッセージのやり取りしたけど、面白い人だね!望里さん!」



こいつ、話題を変えようとしてるな。


「はぁ。後でちゃんと謝っときなさいよ。

あと、ちゃんと後日埋め合わせもすること。」



望里の欲求をたっぷり満たしてあげるが良い。


望里とのデートがどれだけ体力を消耗するか知らないだろうな、弟よ。


「わかったー」


ヘラヘラ笑うたけるを見て哀れに思う。


「ま、てことでOK?だよね?


さっ、すばるさーん!行きましょう!」



後ろを振り向いてたけるは神崎すばるに手を振った。


イマイチ2人がどういう関係なのか分からないけれど、あのたけるがこれだけ懐いているのを見るとかなり親密な関係だと伺える。



未だにクエスチョンマークの望里には今からちゃんと説明してあげるとして、さて、これから神崎すばるをどうしようか。



神崎すばると望里と私、そして弟。


謎のメンツでのグループデート?は一体どうなることやら。

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