集う天文部
「うん! いいよ、お兄ちゃん」
すると隣から心愛が会話に入ってきた。
「だったら、私の家に来ない?私の家ならお母さんも何の文句もないだろうし、それに二人にも会いたがっていたからね」
心愛の家とは隣ということもあり家族ぐるみの交流をしている。その為、、昔から食事など一緒に取ることがある。すると俺の隣から拗ねたような声が聞こえてきた。
「ずるいよー! 二人は家が隣だからそんな風にいったり来たりできるけど私の家は二人 より離れてるんだよ?それに私、今日は習い事があるし」
隣で拗ねている棗は俺達より家が遠くこの夢星学園の隣にある丘にある屋敷に住んでいる為、俺や心愛みたいに互いの家を行き来するこが出来ないのである。それなのになぜ俺らがつるむようなになったかというと、それは小学生の時まで遡る。棗がこの町の有力な豪農で最初は友達すら作らずに誰にたいしてもツンケンしていた為、上級生の女子から調子に乗るなと言うことでイジメを受ける対象になってしまった。その当時にガキ大将であった俺と心愛が2つ上の上級生を叩きのめしてこれ以上、棗に手を出すなと言い聞かせてその場をおさめた。すると今までツンケンしていた棗が急に泣き始めて俺達は棗が泣き止むまで隣に居てやりどうしてツンケンしていたのかを聞いてみると自分の家はお金持ちだから毅然とした態度をとりなさいと祖父から言い聞かされていたいたらしい、それに友達を作るなら本当に信用できる者にするようにといわれていたらいしい
そんなときに心愛が叫んだ。
「お爺ちゃんが何!? 自分が友達になりたいと思う人と友達になれば良いじゃない!何が金持ちだから毅然としろ? 馬鹿みたい! 私達はまだ、10歳だよ?そんなの大人になってからで良いじゃないの!? それとお爺ちゃんの言いなりになっている棗! あんたも自分の気持ちはないの? 友達と鬼ごっこやドッチボールとかまだ色々あるけど自分でなにかしたいと思わないの!? 私ならお爺ちゃんや両親がなにを言おうと知らないわよ!私は碧といると楽しいわ!だから、碧とならなにを言われても恐くないわよ。それだけ碧ことが好きだからね!なのにそんな奴と遊ぶなとか言われたら私なら大泣きするわ、それでも親に逆らって碧と遊び続けてやるわ!」
心愛は一頻り棗の胸ぐらを掴みながら喚き散らした。心愛は肩で息をしているが何かに誇りを持ったようなに顔をしている。一方、棗は顔を俯きながらなにやらブツブツとこちらでは聞き取れない声で呟いている。すると棗はいきなり顔をあげるやいなや心愛の顔にビンタをかました。
「さっきから言わせておけば知ったような口を言うな!あんたに何が解るの?親の期待を裏切る事がどれだけ怖いことか!? 私にはお兄様とお姉様がいるけど二人ともとても偉い人なの、なのに娘である私が落ちこぼれじゃいけないの!お兄様やお姉様みたいにならないといけないの!私だって皆と色んな遊びしたいよう・・・・でも、それで何かあったらお祖父様や両親に合わせる顔がないのよ!」