第三話 思わぬ足止めと新たなスキル
案内に従って飛び続けて暫くすると、洞窟内のぼんやりとした光とは違った、
明るい光が見えてきた。
どうやら本当に地上に近づいてきたらしい。
そう思いながら光の見えた所までふわふわと羽ばたいていると、不意に身体がうまく動かなくなってきた。
頭痛がし、吐き気もしてきた。
そして、それは光の下に近づくにつれてひどくなってくる。
これはまずいと思いなんとか光のあまり照らされてない影に隠れる。
周囲に危険が無いことを確認して、なんとか一息ついた。
一息つきながら考えてみる。
あの光は太陽光に違いないだろうし、それなら地上には近づいている。
ではあの体の不調はなんなんだ?
ふと自分の今の身体を見てみる。
体毛の色は銀色だが間違いなく蝙蝠そのもの。そんなことはここに到着する前に確認しているし…
あ、分かった。今の私、蝙蝠だから多分夜行性だ。
(本当に……馬鹿なんですか…?)
…やめてくれ、そんな呆れた声で言わないでくれ。
そんなこんなで太陽が沈むまで待つことになった。
待っている間、少しスキルについて詳しく聞いてみることにする。
案内人さんによると、まずスキルとは"パッシブスキル"と"アクティブスキル"があるらしい。
"パッシブスキル"は今持っている【暗視】【超音波】【吸血】【飛行】のような
常時発動するスキルのことらしく、種族によって取得することの出来る物が限られるらしい。
例えば、鳥のような空を飛ぶことの出来る身体の機能を持つ種族は【飛行】を取得できるが、そのような機能を持たない人間のような種族は取得することが出来ないらしい。
そしてもう一つのスキル、"アクティブスキル"だが、これは言ってみれば武術などの特殊な技能のことらしい。これは今の私には関係ないだろう。
あと【吸血】は"アクティブスキル"ではなく血を吸うことができるという"パッシブスキル"らしい。ややこしいな。
うーむ…案外…地味というか…何というか。
よし、ほかに取得出来る物が無いか聞いてみるか。
ということで何か取得出来そうなものありませんか?
(そうですね…お、ありましたありました。今取得できるのは"パッシブスキル"の【魔素変換】【魔力合成】【魔力適応】【魔力蓄積】ですね)
魔素に魔力かぁ、なんかいかにもな単語が出てきたな。
もう少し詳しく教えてもらおう。
(まず、魔素ですが、これは魔力を構成している言うなれば原子…?なるものですね。そして魔力は魔法や魔物や魔族の生命の源のようなものです。例えるのであれば、魔法や生命を焚火とした時にそれを燃え続けさせる、または燃え上がらせるための薪のようなものですね)
なるほど、魔力は燃料、魔素はそれを構成する原子か…
それに魔物と魔族ねぇ…魔力とかがあるならやっぱりそういうのはいるんだな。
ということはつまり、それ取得したら魔物になるってこと?
(その点に関しては問題ありません。魔物や魔族とは魔力を生命力とするからか、身体の心臓部にあたる場所に魔力を貯め込む結晶を作りますが、先ほど挙げたスキルを取得してもそのような結晶は出来ません。ただ、魔力を身体の栄養として使うためか排泄の必要がなくなったりしますが…)
うん、取得しよう。
元人間で現代人としては正直この姿でそういう事するの少し…いや結構嫌だったし。
(それでは"パッシブスキル"【魔素変換】【魔力合成】【魔力適応】【魔力蓄積】の取得を開始します)
それじゃあひとつずつお願いね。
(分かりました。取得の間は暇でしょうし今はまだ日も上がってますので、その間レイカは寝てていいですよ)
はーい、それじゃお言葉に甘えて。
天井に逆さに張り付いて一応周囲確認、よし!
そして両目を静かに閉じた。
おやすみなさい。
(おやすみなさい、レイカ)




