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時に流され続けた三十五年間
「あ~あ、人生かったるいな」。
部屋の一室、ぼんやりとした表情でそう呟くその男の名はカンジ。
カンジはろくに仕事もせずに親のすねをかじり続け、生かされず殺されずな生活を三十五年間も送り続けていた。
「ずっと引きこもってたから、この生活飽きたな。面白い事ないかな~」。
カンジが続けてそう呟いた時、母親が部屋に入ってきた。
「カンジ、家から出てってくれない? 」。
「何で? 」。
唐突な一言にカンジはすかさずそう問いかけると、母親は続けてこう言った。
「邪魔だから」。
するとカンジは...。
「分かった」。
カンジはそう答え、家を出ていくために荷造りを始めた。




