第二章・第三節 じいじ、友情バトルに参戦す。
美羽が呼んできた同級生は、小学三年生にして天才的なゲーマー。だが、じいじの珍プレーは彼の常識すら粉砕し、笑いと混乱を巻き起こす――。
ある日の夕方。
重蔵はちゃぶ台の前でコントローラーを握り、孫の美羽と一緒に練習していた。
「じいじ、だいぶ動けるようになったね!」
「ふふ……わしの努力の賜物じゃ」
そこへ、美羽のタブレットに着信が入る。
「わぁ! 翔くんだ!」
「翔くん?」
「同じクラスの友達! “ShO-N”って名前で、ゲームすごーく強いんだよ!」
画面に現れたのは、小学三年生にしては大人びた顔つきの少年。
ヘッドセット越しに落ち着いた声で言った。
「やあ、美羽。で……この人が噂の“JZ-65”?」
「そうだよ! わたしのじいじ!」
翔は半信半疑の目で重蔵を見た。
「……昨日の切り抜き、見たよ。草むらでしゃがんで動かないとか……」
「む、わしの“隠れ身の術”を見破ったか!」
「いや、ただの棒立ちだったよ」
試合開始。
翔は驚異的な操作でゾンビを次々撃破。
美羽も器用に援護する。
だが重蔵は――。
「おおっ!? 敵がっ……敵がっ!」
「じいじ、それ……壁撃ってる!」
「ぬっ……なかなか動かん強敵じゃ」
【新種ゾンビ=壁】
【弾丸浪費の達人】
【JZ-65 vs 壁=永遠の戦い】
翔は頭を抱えた。
「ちょっと! 味方なのにどんどん足手まとい!」
「心配無用! わしは一撃で戦局を変える!」
そう言って重蔵は、ゾンビの大群に飛び込んだ。
「じいじ!? 無理だよそれ!」
「戦いとは勇気じゃ!」
ドカーン!
またもや壮絶な自爆。
【じいじ=人間爆弾】
【ゾンビより脅威】
【ShO-N、小学三年生で人生の試練】
翔は思わず吹き出した。
「なにこれ……でも、ちょっと面白いかも」
美羽は笑顔でうなずく。
「でしょ! じいじ、最強なんだよ!」
重蔵は照れくさそうに胸を張った。
「うむ、これが“老兵の矜持”というものじゃ!」
――小学三年生ゲーマーすら振り回す“じいじ”の伝説は、また一歩広がっていった。
小学生、天才ゲーマーすら翻弄するJZ-65。孫も友達も大爆笑。老兵の戦場はますます広がり、伝説はさらに加速していく。




