第二章・第二節 伝説の珍プレー練習回
慣れたつもりのじいじが挑む“練習回”。しかし戦場に持ち込むのは、なぜか盆栽とラジオ体操の精神。真剣さとズレが、新たな伝説を生む――。
日曜の午後。
重蔵は正座をしてテレビに向かい、孫の美羽が横でコントローラーを渡した。
「じいじ、今日は“動きながら撃つ”の練習しよ!」
「心得た!」
ゲーム開始。
だが――。
「イチ、ニ、サン、シッ!」
重蔵はなぜか、ラジオ体操のリズムでキャラを動かしていた。
画面の中で兵士が、奇妙なスクワットを繰り返す。
【ラジオ体操始まったw】
【ゾンビも混ざりたい】
【健康志向FPS】
さらに混乱は続く。
「じいじ、武器は拾わないと!」
「ふむ、盆栽の植え替えのように……」
そうつぶやきながら、なぜか“木箱”ばかり集め始める重蔵。
武器ではなく、資材をひたすら抱え込み、ゾンビに追い詰められる。
【木箱コレクター】
【DIYじいじw】
【戦場をホームセンターにする男】
極めつけは――。
「ここでしゃがんで隠れると安全だよ」
「了解じゃ」
重蔵はキャラをしゃがませたまま、十数分その場を動かず。
画面はひたすら地面の草むら。
「じ、じいじ!?」
「ふふふ……“敵を待つ心”が大切じゃ」
【キャンパーじいじ爆誕】
【草むら配信ww】
【ある意味最強】
美羽は腹を抱えて笑った。
「じいじ、もうゾンビより面白い!」
重蔵は真顔でうなずいた。
「戦とは、忍耐と静けさじゃ……」
――こうしてまた一つ、伝説の珍プレーが誕生した。
木箱収集、草むらキャンプ、ラジオ体操ムーブ。孫も視聴者も大爆笑。次回、じいじは思わぬ強敵と出会い、さらなる混乱の渦に――。




