表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最終戦線の老兵 ―JZ-65伝説―  作者: ちょいシン


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

5/37

第一章・第五節 じいじ、初配信に挑む

初めての配信。画面の向こうに広がる世界に、重蔵は妙な緊張を覚える。失敗すら笑いに変わる、その夜が伝説の第一歩になるとは知らずに――。


「じいじ、ほら見て! もうフォロワー千人超えた!」

 美羽がスマホを見せると、重蔵は目を白黒させた。

「せ、千人!? わしの盆栽クラブでも十人集めるのがやっとなのに!」


 コメント欄には《もっと見たい!》《ライブはまだ?》の声が並ぶ。

 美羽はにやりと笑って宣言した。

「じいじ、今日は初めての配信するよ!」

「な、なにぃ!? わしが!?」


 急ごしらえのセット。

 ちゃぶ台の上にノートパソコン、隣にマイク。

 背後には立派な松の盆栽が映り込み、まるで時代劇のワンシーン。


「よし……準備できた! じいじ、配信開始ボタン押して!」

「お、おう……(ドキドキするわい)」


 クリック音と同時に、画面の端に「LIVE」の文字。

 世界中の視聴者が、今まさにこの居間につながった。


「……えー、こほん。わしは佐……いや、“JZ-65”じゃ。六十五歳の……元、町内会計係じゃ」

《草》《町内会計係www》《じいじ声かわいい》


 コメントが一斉に流れ、重蔵はさらに緊張する。

「わ、わしの声が世界に届いとる……!」


 ゲームが始まる。

 最初の敵ゾンビを前に、深呼吸。

「いざ参る!」

 ――ズドン!

 弾丸はゾンビを華麗に外し、真後ろのドラム缶を撃ち抜いた。


 大爆発。キャラクターは宙を舞い、そのままゲームオーバー。


《開幕即死www》

《ドラム缶相手に完敗》

《伝説更新》


「じ、じいじ! 一分で終わっちゃったよ!」

「む、無念……! しかしこれは、予行演習じゃ!」


 必死の言い訳に、美羽は腹を抱えて笑う。

 コメント欄も爆笑の渦で埋まり、配信は大盛況となった。


 震える指でコントローラーを握り直しながら、重蔵は心の中でつぶやいた。

 ――妻よ。まさか余生にこんな戦が待っていようとは。

 だが、この笑顔のためなら、まだまだ退けぬ。


「次こそ、わしの真の力を見せてやるわい!」


 その声に、美羽と視聴者の笑いと拍手が重なった。


爆死、誤射、珍プレー。すべてが笑いとなり、コメント欄は大盛況。老兵“JZ-65”の物語は、ここから本格的に始まる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ