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最終戦線の老兵 ―JZ-65伝説―  作者: ちょいシン


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第一章・第三節 じいじ、練習でまた爆発

孫の手ほどきで練習を始める重蔵。走れば壁に激突、ジャンプで土下座、銃を撃てば味方に誤射――。失敗続きでも、孫との笑顔が何よりのご褒美だ。

「じいじ、まずは“走る”の練習だよ!」

 美羽が隣でコントローラーを握り、キャラクターを軽やかに走らせてみせる。

 重蔵も真似をしてスティックを倒す――が。


「おお……速い! わし、こんなに足速かったかのう!」

「じいじの足じゃなくてキャラだから!」


 そのまま勢い余って壁に突進。

 ガンッ、と派手な音が響き、キャラクターが鼻をぶつけるように停止した。


「わしの頭が痛い気がするんじゃが……」

「気のせいだよ!」


 次はジャンプ。

「ここで“×”押して!」

「おう、任せとけ!」

 ――ポチッ。

 キャラクターは跳ぶどころか、しゃがんで床を這い始めた。


「……じいじ、なんでジャンプで土下座してるの?」

「う、うむ……ゾンビに情けをかけておるのかもしれん……」


 笑いすぎて肩を震わせる美羽を横目に、重蔵は真剣な顔で次の課題へ。

 今度は銃を撃つ練習だ。


「照準を合わせて、このボタンを押すんだよ!」

「なるほど、わかった!」

 ズドンッ!


 ……弾丸はゾンビをかすめ、後ろにいた味方NPCの背中に命中。

 画面に冷酷なメッセージが表示される。


《仲間を誤射しました》


「じ、じいじ……まだ一発も敵に当たってないのに……」

「わ、わしも驚いとる……!」


 何度目かの誤爆のあと、二人は同時に大笑いした。

 重蔵は涙を拭いながら、胸の奥がほんのり熱くなるのを感じていた。


 ――こんな時間が、ずっと続けばいい。

 孫の笑顔に囲まれる日々が、妻のいない寂しさを埋めてくれる。


「よし、美羽! わし、もっと強くなってみせるぞ!」

「うん! じいじなら絶対できる!」


 ポンコツ老兵の練習は続く。

 失敗しても、爆発しても、二人で笑える限り――。


爆発しても、誤射しても、笑い合える時間がある。孫との絆を胸に、老兵はさらに前へ。次回、思わぬきっかけで世界が彼に気づき始める――。

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