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妖の追凶〜time of hell〜  作者: 羽波紫希
百鬼夜行、鬼女の追想編
6/61

6.氷使いの妖狐・青蘭

『皐月屋』に到着し、中には入ると常連客たちがたくさんいる。海斗は空いている席に座った。すると、ご飯の匂いを嗅いだとたん、またお腹の音がなってしまう。海斗は顔を真っ赤にした。


「お前さん、ここは初めてかい?あと、すずこちゃんに惚れちゃったか?」


海斗の隣に座っていた常連客の(げん)さんが言った。それに対して海斗は顔を真っ赤にしながら「え!?あ、いや…」と戸惑う。それをこっそり見ていたすずこは微笑む。


「だって、すずこちゃんこの店の看板娘だもん。たしか、大学生くらいだったかな」


元さんが言ったあと、海斗はえ!?となるほど驚いてしまった。



数分たつと、海斗が注文した牛鍋(一人前)が完成したので、それをとったすずこは海斗のところへ運びにいく。


「お待たせしました!牛鍋です。とっても暑いから気をつけて召し上がってくださいね」

「ありがとうございます」


すずこが注文を届け、愛想よく言う姿を見て明るい性格をしていると見てすぐにわかった。それを見て海斗もその性格に憧れを持つようになる。そのために挨拶は普段からしようと思いお礼を言った。


その後、注文した料理を一口食べた。すると、たれで煮込まれた牛肉の柔らかい肉質が口の中で広がり、とろけるような食感とうま味を感じた。そのせいか、一口、二口と食べるのが止まらなくなる。


「地獄の裁判から解放されたあとの飯はうめ~!」


あまりに美味しすぎて、海斗は食べながら嬉し泣きでの本音を出してしまい、すずこや他の常連客、ここの従業員にも聞こえてしまった。そのせいで恥ずかしくなり、顔を真っ赤にして食事を進めた。


(やっぱり面白い人だね。私、海斗くんを応援するし、そばにいるよ)


それをこっそり見ていたすずこは、微笑みながらこ心の中で思った。



数分後、海斗は、牛鍋を食べ終えると会計を済ませ、店から出る。すると、海斗の心は穏やかになった。


「ごちそうさまでした。また来ます」

「ありがとうございました!また来てくださいね!」



『皐月屋』から出たあとだった。海斗は暇なので、黄泉の国の街並みを一人で回ることにしたのだ。そこには、たこ焼き、もんじゃ、珍しいスイ一ツ、雑貨、土産などまるで、ここは観光スポットみたいだ。どれもインスタに投稿すると注目度が上がりそう。しかし、海斗の所持金はもう残っていなかったので、何も買えない。


(僕の所持金、裁判所で少しとられたからな…)


その結果、食べたいものを買うのを諦めることになり、海斗はアンラッキーな気持ちになった。すると、雑貨屋の前で男性が海斗と同い年くらいの少女を手を引っ張っているところを目撃したのだ。どこかへ連れ去ろうとしている。それを見たのは海斗だけではなかった。


しかも、その少女は鬼女だった。薄紅色の袴姿であり、左手の手首には赤い糸のようなもので縛っている。あれは何だろうかと海斗は気になった。


「俺たちと遊ぼうよ~なっ」

「私は今忙しいですので無理です、手を離してください」


もうこれ以上は見ていられない。警察に連絡もしたいけれど、スマホがないからどうすればいいかわからない。海斗は殴られる覚悟はあるが直接いくしかないと考えた。


「何をしてるんだよ、その人が嫌がってるじゃないですか。手を離してください」


海斗は複数人の目撃者の前で堂々と言ったのだ。それに対して男性は「この俺様に喧嘩か」と言い返した。しかし、海斗のおどおどとしている姿はなかったのだ。これだったらいけると思い、海斗は男性に

何かしら言い返そうとしたが、その時点で男性が海斗の腹部を殴った。


「お前、その後なにも言わねえし俺様は待てなくてやっちゃった。ハハ」


海斗はこの男性に負けたと思った。黄泉の国の行く前もそうだ。いつも運がついてないし弱い。だから、男が持っていたナイフで刺されてここにいるのか。でも、動ける状態ではない。このままではまた殴られてもおかしくない。これは、絶体絶命。


どうするか考えたそのときだ。男性の背後まで走る音が聞こえた。これは奇跡だ。


(誰か助けに来た…!神だ!)


よく見ると、白い長髪とスカイブルーの瞳でわかったのだ。その人は、男性の背中を蹴っとばし、男性は転んでしまった。そのせいでさらに、男性の怒りは増す。男性が白い長髪の人の和服を引っ張り、侮辱する。


「おい、てめえ。俺様になに蹴っ飛ばしてんだよ。その地味なコーデをして、いい加減その帽子をとれよ」


男性がその人のカンカン帽を取ったとたん、人々は驚いた顔をしてざわめいていた。


「ちょっと待って、青蘭(せいらん)じゃない?」

「え!?マジ?青蘭って格闘の番組で覇権王になった妖怪だよね?」


カンカン帽をはずした姿を見ると狐の耳が見えた。"青蘭"という狐の妖怪は何者か。何の術を使うのか。海斗はその人を見た。


「お前、俺様と勝負しねえか?ただし、条件がある。俺様に負けたら一生俺様の言うことを聞く。それでいいか」


男性が青蘭に勝負を申し込むと承認を得た。それで勝負が始まる。しかし、青蘭からも条件をつける。


「俺もいいか。じゃあ、俺に勝ったら殴られて動けない人間を自由に殴ってもいいしこの鬼女も連れてっていい。もし、負けたらここから姿を消して」


青蘭が入れた条件に男性と賛成。今から、勝負が始まり、動けない海斗と鬼女は緊張感が上がった。青蘭と横暴な性格をしている男性のどちらが勝つだろうか。

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