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妖の追凶〜time of hell〜  作者: 羽波紫希
百鬼夜行、鬼女の追想編
5/60

5.黄泉の国

連れていかれた先、目が覚めたら電車の中で座っていたのだ。気付いたときには閻魔大王の家来はいなかった。


(自分は気絶されられたのか...それとも、寝てたのか…?)


よく見ると、電車の内装は木張りだった。それだけでなく、座席も木製のベンチタイプだ。そのせいで、海斗は腰がいたい。けれども、内装が明治時代みたいな雰囲気で高級感とレトロを感じた。


数分たった後、車掌がいないことに海斗は気付く。自動運転なのかと海斗は考えた。けれど、死者の人数が多すぎて押し潰されている。そうなると非常に窮屈で考えることに集中できない。すると、終点の音がなった。


「次は~終点の黄泉(よもつ)~黄泉」


黄泉と聞いたとき、全く意味が分からない。すると、隣に座っていたおばあさんが海斗に話しかけた。


「黄泉というのは黄泉の国だよ。あ、ごめんなさいね。あなたの独り言が聞こえちゃって…」

「あ、いえいえ。独り言してしまった僕も悪いので。ご親切にありがとうございます」


そう話しかけられて、海斗は納得した。黄泉が本当の名前で"黄泉の国"は名称なのだと。


しかし、電車から降りたあとのことだ。きっぷがないことに気付いた海斗は焦った。それを見ていたおばあさんは、海斗のところまで行く。


「さっき、あたしが座っていたところに落ちていたけど、これの持ち主はあなたかい?」


おばあさんが穏やかな口調で言われて、海斗は「あ、はい」と答えた。その後、おばあさんにきっぷを渡される。


2人は駅から少し距離のある休憩所で休憩すると、おばあさんが海斗に優しく何か問いかけた。


「君はもしかして黄泉の国に行くのは初めてかい?」

「はい、そうです。黄泉の国がどんなところか僕わからなくて…」


海斗は、張り詰めた感じで答えるとおばあさんは微笑みながら話を聞いていた。この人は聞き上手だと思う。すると、「そうかい」と言い、また続きを何か話そうとしている。


「黄泉の国は、死者と妖怪の人口と木造の建物が多いの。その上、現実の世界とは違ってなんだか体が疲れない」


海斗は黄泉の国がどのような場所なのかはまだ見ていないから分からない。どういうところなのかを想像すると死者の休憩所という感じがする。でも、これだけは言える。死者だから今は体が軽い。まるで、透き通った世界にいるみたいだ。



数分後がたつと、おばあさんが腕時計の時間を確認をしていた。すると、おばあさんが何かを思い出す。


「思い出したわ。ごめんなさいね、黄泉の国に一旦帰らなくちゃいけないわ」

「わかりました。実は僕もそこへ行きたいんですけど、一緒についてきてもいいですか?」


訪ねたあと、おばあさんは「いいわよ」と答え、海斗はその人についていくことにする。歩いていると現実の世界では見たことがない光景が多かった。それに対して海斗は異世界に入ったみたいでとても信じられなかった。


さらに数分歩くと、歩いている人と木造の建物がが多くなった。本当におばあさんがいっていた通りだ。海斗はようやくわかったような顔をしながら黄泉の国へと向かっていく。 



数時間後、2人はようやく黄泉の国に着いた。海斗は初めて見たとき、想像以上に違うと目を大きく開きながら思った。幅広い世代の人と複数の店が多い。街並みが伝統的な和の文化と西洋風を要素にしていた。まるで、ファンタジーの世界にいるような感じだった。


着いたあと、分かれ道になったのでおばあさんと別れた。すると、前から和風を着てカンカン帽を被っている人が静かな音で歩いているのを海斗は気になる。その人はスカイブルーの瞳と白い長髪、中性的な顔立ちをしていたのが見えた。それだけでなく、使用人の暁と同じ髪型をしている。


近くを通ると不思議と涼しい感じがする。まさか、何か術を使っているのかと海斗は憶測で判断した。しかし、その人が通りすぎると涼しい感じが消えてしまった。なぜだろうと海斗は疑問を抱く。すると、おなかの音がなる。


(そういえば、おなかがすいたな~何か店は…と思ったら混んでる…)


人が多いせいで、店も混んでいる。入りたいけど、時間がかかりそう。諦めようとした。そのときだった。


「どうしたの?もしお腹空いたらうちの店でご飯食べない?」


急に若い女性が声をかけてられてひとまず海斗は驚いて地べたにすわってしまった。


「急に話しかけてごめんね、驚いちゃった?さっきあなたがお腹が空いてそうに見えたから。私もお買い物をしてきて店にかえるところなんだ」

「僕もすみません、実は僕もどこの店で食べようか迷ってしまって困ったんです」


海斗は正直に話した。すると若い女性が「ぜひ、うちの店で食べない?」と海斗に問いかけた。それに対して海斗は「はい」と答える。


このタイミングで海斗は連絡先を交換するかをその女性に訪ねた。もちろん、「いいよ、何かあったときに便利だからね」と若い女性は答えた。


「ちなみに私の名前は咲良井(さくらい)すずこ。『皐月屋(さつきや)』の看板娘として働いてるよ」


若い女性が咲良井すずこと名乗っていた。名前を言っていたとき、まるで天使が喋っているような声をしていて、癒しを感じた。


「あの、僕の名前は鳥山海斗です。すずこさん、よろしくお願いします」


海斗はおどおどしく名前を名乗っていたが、それに対しすずこは心から受け入れた。そして、海斗とすずこは『皐月屋』へ向かう。

この話の黄泉の国は私の空想世界です。

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