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妖の追凶〜time of hell〜  作者: 羽波紫希
華の道しるべ編
40/61

39.それぞれの行き先

青蘭が()の子餅を食べ終え、それぞれの部屋で寝る準備をした。


部屋に着くと、既に布団の準備はしてあったのだ。召し使いがしてくれたのかもしれない。外を見ると既に真っ暗だ。


「海斗、明日は神楽坂へ行くからここを早く出よう」

「わかった。でも、蓮と元緋も一緒に行くんだよね?」


そのことに対し、青蘭は首を振ったのだ。


「元緋は大丈夫。だけど、蓮は今回の事件に関しては行かない方がいいかも」


海斗は「それはなんで?」と質問をした。


「呪いの国は陰陽師は関係がある。だから敏感。もし、蓮が行くと呪いの国の妖怪たちは殺しに行く。だとすれば、黄泉の国にも影響を与えてしまう」

「なるほど。だったら今回は…」


そのことに対し、青蘭は「今回は朝国に行ってもらう」と言った。


なんと、蓮と元緋は朝国に行ってもらうことになったのだ。そこは、人間の死者とレベルの低い妖怪が少し住んでいるところ。


「そこに行ってどうするの?」

「そこで蓮たちはいろんな店に行ってもらおう」


青蘭が言っていたことに対して、海斗は「え?」となった。


「青蘭、だったら意味ないんじゃ…」

「それでも仕方ないだろ」

「それもそうだよね。蓮が陰陽師じゃなければよかったのに」


叶わないのに海斗はそのことを願っていた。


(ま…そりゃそうだよな…)


青蘭も同じ気持ちだったのだ。すると、部屋の襖を開ける音がした。2人が襖の方に振り向く。そこにいたのは、蓮と元緋だった。


「ちょうどいいところに来た。2人とも、ちょっと話したいことがある」


2人が来たあとすぐに青蘭は話しかけた。


「何?話って」


蓮と元緋は、話を聞くために青蘭の顔を見る。そして、青蘭は手紙の内容と2人に朝国に行ってもらうことを話した。


詳しいことを聞くと、呪いの国というところである事件が起きた。その事件は呪いの国の神楽坂にある。そこは、華やかで美男美女の多い妖怪が多い場所らしい。けれど、最近は次々と誰か1人か2人くらいいなくなる事件だ。


「ふ〜ん。だったら俺たちも」

「いや、蓮たちを呼んだのはそれだけじゃない」


蓮も協力するつもりで言った。だが、その途中で青蘭がすぐに言われてしまう。


「今度は何だ?」


元緋が青蘭に対して質問をした。


「残念だけど、呪いの国全体は陰陽師に対して警戒している。蓮は陰陽師だろ。もし行くと、蓮を殺しに行く。だから、2人は人間の死者が住む朝国へ行ってもらう」


2人はこの事を聞いて、納得した。蓮が陰陽師という理由で神楽坂には行けない。それは残念だ。けれど、それは仕方ない。


「わかったよ。だったら俺と蓮は一緒に朝国というところへ行ってくるよ」

「元緋、お前はそもそも勝手に行っちゃう人だから一緒に行くよ〜」


すると、元緋は「俺はな、子供じゃねえんだよ」と言い返した。


「そもそも俺400は越えてるんだぞ!」

「え~?俺の家業は平安時代から続いてるんだよ~!」


なんと、蓮と元緋はどっちがすごいのかを対決していたのだ。それを見ていた海斗の青蘭はくだらないと感じた。


(あ…これはちょっと厄介になりそうな感じだ)


海斗は嫌な予感がした。気がつくと既に青蘭は寝ていたのだ。髪を下ろしていた。海斗から見ると、まるで少女が眠っているような感じがする。


(何だか青蘭も寝ちゃってるな…でも蓮と元緋が自慢してる中でも寝てるのがすごい)


海斗は心の中では驚いていた。普通、そんなことはできない。寝るのが好きなのかと海斗は思った。2人はまだ自慢みたいなことをしている。とうとう海斗は限界になった。


「蓮と元緋!何をしているんだ!自慢っぽいのをしてる場合じゃないだろ!さっさと寝ろ!」


海斗は堂々と激怒した。


「だって、最初に言ってきたのは蓮だよ!俺じゃない!」

「いやいや、400は越えてるとか一番最初に言ってくるのが悪いし」


2人の言い訳に海斗は呆れていた。すると、また蓮と元緋がどちらが上なのかの勝負が再び始まったのだ。


(もう何だか無理だ…)


そう思っていたときだ。すると、部屋中が寒くなってきた。それは、青蘭の妖術なのか。寝ているのに使えるわけがない。と思っていたが、畳の上が氷始めた。


(え~!?何か氷ってる!?)


海斗はすぐに布団の中に潜り込んだ。蓮と元緋も海斗と同じことをした。


「何だこれ…これさ布団の中…でもいっちゃいそう」


蓮はそう思いながら、耐えた。そのうちにぐっすりと眠ってしまったのだ。海斗も同じだ。



翌日になり、海斗が目を覚めた。もう気がつけば、青蘭と蓮、元緋は既に起きていた。それだけでなく、畳の上は乾いている状態だ。氷は溶けたのだろう。


「それより眠~い…」


海斗はあくびをしながらな屋敷内の広間へと向かった。


着くと、そこにいたのは青蘭、蓮、元緋、紅葉、鬼の貴族たち。


「おはよう…」

「おはよう。海斗、もうみんな食べ終わってるから…」


青蘭が見ていたのは、海斗の服装だった。


「海斗…まだ、寝るときの服装になってるよ…」

「あ~!すみません!すぐに着替えてきます!」


小袖(こそで)、いわいる下着みたいになっていた海斗は急いで私服に着替えてきた。



ようやく、海斗は着替えを終えた。青蘭、蓮、元緋、紅葉も食べ終わり、呪いの国にある神楽坂というところへ出発する。


「お世話になりました」


海斗たちは鬼霊殿(きりょうでん)という屋敷も出て、鬼の国の駅へと向かった。鬼の国の都・鬼京(ききょう)も出る。


「もうすぐで駅に着く。だから、あと少し走ってくれ!」


青蘭が言っていたことに4人は駅まで走り続けた。 走っているうちに駅が見えた。鬼たちは誰もいない。駅の近くまで走ると、歩きに変わった。


「何だか…走ったせいで足が持たない…」


海斗は運動神経が悪いせいで、体力が常に限界を向かえた。


「海斗、お前体力ないな~」


元緋に言われて、海斗は「そうなんだよ…」と返した。



歩き続けて数分後、駅に着いた。時刻表を見ていた海斗と青蘭は、『呪いの国行き』の時間を探した。すると、すぐに見つけ、その右を見たのだ。


「えっと…時間は…8時…40分」


時刻表を見ると、電車が来る時間は午前8時40分。今は、8時36分。だから、あと4分は暇だ。海斗が駅の周りを見ると、切符売場がないことに気付いた。


「ここって切符とかはないの?」


海斗が青蘭に質問をした。


「切符?何それ。ここにはそんなのないよ」


なんと、黄泉の国では切符売場がなかった。そのことで海斗は驚いた。


「じゃあ、どうやってお金を払うの?」

「う~ん…駅によってだけど、現金で払う場所と払わなくてもいい場所がある。ここは払わないと行けない」


青蘭の話を聞いて、海斗は少しめんどくさいと感じた。すると、左の方から電車が来る音がしたのだ。ガタンゴトンという音がなる。5人はそろそろ準備をした。


電車がようやく来ると、先に降りる人が先に降り、そのあと、乗った。5人のうち4人は空いている席に座り、疲れていたのでくつろいだ。その席は、右と左のそれぞれ2人ずつ座れる。


「じゃあ、僕はトイレに行ってくる」


海斗はトイレへと向かった。左側の席は紅葉、青蘭。右側は蓮、元緋と既に埋まってしまったのだ。すると、アナウンスが流れた。


「まもなく~ドアが閉まります~」


言っていたあと、電車は走り出した。海斗は電車の中のトイレに向かっているから大丈夫だろうと思った。すると、青蘭は電車の中で寝てしまったのだ。それを見ていた紅葉は起こそうとする。


(あ…でも疲れてるから起こさないようにしよう…)


紅葉はそう思い、青蘭をそっと寝かすことにした。




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