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妖の追凶〜time of hell〜  作者: 羽波紫希
百鬼夜行、鬼女の追想編
33/61

33.最後の決着へ

一方、紅葉と元緋のほうは大嶽丸から逃げていたのであった。そのため、他の場所へと移動しているところだ。


「やっぱり逃げちゃ鳥山くんたちが危ないと思いますよ」


けれど、紅葉は元緋と逃げながら海斗たちのことを気にしていたのだった。


「いやいや、心配はないない。あの3人なら絶対にやってくれると思うよ」

「でも…」


それでも紅葉は心配していたのだ。


(これは私の問題だから私もあの人を倒した方がいいよね…)


検討している紅葉を見た元緋も方向性が変わり始めた。


(紅葉ちゃんの言う通りかもな。だけど、蓮に伝えちゃったからな…)


確かにそうだ。と元緋は思った。けれど、紅葉のことは任せると蓮に伝えてしまった。だから、仕方ないと考えたのだ。すると、雨がさらに強くなっていた。


「やべっ。これはどうしようもねえ強さだな…」


そう感じた元緋は、紅葉と他の場所へと移動をした。雨や嵐が強くなる中、2人は逃げ続けたのだ。だが、行き止まりになってしまった。もし、逃げ続けていたら崖の上から落ちていたところだ。


「こっち来て!」


元緋は、紅葉の腕を掴んで違う場所へと移動をした。


「あ、元緋さん。このまま逃げ続けても大嶽丸に見つかるだけですよ」

「大丈夫だ、紅葉ちゃん。必ず大嶽丸に見つからないところへ逃げるから」


紅葉は「だけど…」と言った。


「大丈夫。今の状況だと紅葉ちゃんを1人にするのは危ない。でも、俺がいるから信じて!」


そのことを紅葉は「はい」と答えたのだった。



大嶽丸と決着を付けていた3人は、かなり体力を使っていた。そのせいで、限界まで来てしまったのだ。


青蘭が持っている大通連(だいとうれん)はまだ無くしていない。もし、紛失してしまうと、後に大嶽丸が見つけようとしててしまう。


(このままだと蓮と青蘭が先にやられる可能性が高い。だとすると、これはどうしようもねえな)


海斗はそう感じた。蓮と青蘭がやられると海斗だけになる。海斗の妖術は幻。泡沫夢幻(ほうまつむげん)など、どんな妖術を攻撃されても一瞬で泡のように消えていく技だ。けれど、泡沫夢幻は使える回数が少ないのだった。そのため、大嶽丸が相手でも使うことができなかったら海斗は普通の人間になるのだ。


(俺が大嶽丸にやられると最悪なことになるかもしれない)


海斗が方法を探っていると、大嶽丸が妖術を出す準備をしていた。


(…はっ!これはまさか…)


それに対して、海斗が光景していたのは、雷、台風、雨、雹。その強さや量は最大だった。


「勝負を付けるにはこれしかないな〜やっぱりこんな感じに行かないとな」


大嶽丸は余裕な表情をしながら言った。


「はっ!何これってか痛っ」


蓮が雹に当たりながら驚いた。


「蓮、大丈夫か」


それに対し、蓮は「大丈夫」と返した。だが、青蘭の姿を見て蓮は卑怯だと感じた。


「ってか、青蘭さ。何だよその姿はまるで女子みたいだな」


その光景に、青蘭は人間の女子高生に化けていたのだ。服装は制服の姿だった。顔立ちもクラスの中で人気者の美少女みたいになっていた。


「その方が自分も似合ってると思ったの。どうかな?」

「別にそうでも…いや、なんだかこれも悪くないな…」


蓮は人間の女子高生に化けた青蘭を見て、少し一目惚れをしたのだ。美少女を見ると、好意が湧くのだった。


「でも、結婚はできませんよ。ごめんなさいね」


蓮がすぐにデートを誘おうとした。だが、先に断られてショックを受けている。すると、それを見た海斗は苛ついていた。


「おい、真面目にやってくださいよ。特に蓮は」


2人の正面から見ていた海斗は怒鳴っていたのだ。


「いやいや、ちょっと待ってよ。だったら女子高生に化けている青蘭だって」


すると、海斗はその女子高生に対し身に覚えがなかったのだった。


「誰?」

「だ〜か〜ら!青蘭だよ!」


そのことに対し、海斗は「よく分かんないや」と言った。


(青蘭ってなんだかモテるんだな…てか、そういう卑怯なところもあるのか)


蓮は心の中で思っていたことを 感じていた。すると、大嶽丸が突然、小通連(しょうとうれん)を青蘭に向けていた。それに3人はすぐに気付いた。


「俺はもう待てねえ。だからよ、先にこの女を殺す」


大嶽丸は、小通連を青蘭に向けて振り回した。すると、青蘭は氷で棘を作って大嶽丸を躓こうとしていたのだ。そうなると、大嶽丸が小通連を使って、切り捲っていた。


「俺の大通連、返してもらおうか」


女子高生に化けていた青蘭は、氷で棘を作る以外は何も使えなかった。


(これは終わったぞ…)


そう感じ、青蘭は取られる覚悟をしていたそのときだ。


(泡沫夢幻・水底)


すると、地面が水底に見えたのは大嶽丸だけだった。


「な…何これ…俺、水の底にいるのか…」


大嶽丸だけが幻覚を見ていた。そのことに対し、青蘭は助かったと感じた。


「あ…ありがとう…」

「いやいや、お礼はそんなこと…って」


海斗は既に普通の人間へと戻っていたのだった。


「海斗、普通の人間に戻ってるよ」

「え?え~!?って、青蘭。その姿は…」


青蘭の姿を見て、海斗は緊張したのだった。すると、海斗の頭に何かが当たった気がしたのだ。雹だった。また、雷の音も最大の強さになっていた。ゴロゴロと大きな音。雨も滝のような量。そして、大嶽丸の戦闘力。


(大嶽丸。さすがに強い。もうここまで体力が来るとますます削られる。)

(俺も、戦ったがもうさすがについていけない)


3人はかなり体力にそろそろ限界が来た。


「もうお前ら。今度は最後の勝負とするか」


大嶽丸は戦う気満々だ。それに対し、3人は体力も使いきった。そのせいで、疲労がたまる。だが、完全には諦めていなかった。


「ああ、いいよ。その気なら僕も最後の決着を付けようか」


3人はやる気を見せるつもりだ。

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