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妖の追凶〜time of hell〜  作者: 羽波紫希
百鬼夜行、鬼女の追想編
32/60

32.反撃開始

その海斗の表情を見た2人は海斗が別人のように見えた。


(一体なんだ…あれは…)


悲しくもなく、 笑ってもいない表情。あの海斗は何者なのだろうか。2人はそう思ったのだ。


「妖…ただの人間だろ」

「人間…それは俺がここに来る前のことだろ。今は妖だよ」


その後、大嶽丸は何も返す言葉が見つからなかった。


「まだやるか」

「そうなのやるに決まってるよ。暴れたいよ」


すると、大嶽丸は妖術を使って暴走しようとした。海斗も体力はまだ衰えていない。なので、早めに決着を付けるつもりだ。


「これはさすがに俺たちもやるか」


蓮たちも海斗の味方に入ることにしたのだ。


3対1で決着を付ける。そのため、勝つのにも有利。けれど、大嶽丸は雷や嵐などの災害も操ることができる。それだけでなく、氷の剣、火の雨も使えるのだ。


(大嶽丸。あいつはもう今まで人間の死者や罪のない妖怪たちを殺害してきたのだろう。だから、強いかもしれない)


海斗は大嶽丸のことを憶測で判断した。


「さっきからなに考えているのか分かんねえけど、俺もそろそろ反撃しないとな」


そう言って、大嶽丸は反撃しようとするのだった。


「じゃあ…だったら、お前の後ろにいるあの2人から先に反撃したほうがいいのでは」


蓮と青蘭のことだろうか。それでも、2人はなぜか反論はしなかったのだ。


「わかった…」


2人は少し戸惑っていた。だが、そんなのはどうでもいい。今は、海斗に協力することに集中だ。3人は妖術を出す準備をした。


(なっ…俺も人間2人と狐妖怪にやられるといけないから…どうすれば…)


大嶽丸はとても焦っていた。


(今まで負けたことがな勝った俺がこんなことがあるのか…いや、これは間違いだよな…ここで負けは認めたくない…)


大嶽丸は負けていられないと思い本気を出したのだ。


(式神・星月夜(ほしづきよ)

氷棘柱(ひょうきょくそう)氷雪(ひょうせつ)


蓮と青蘭、それぞれの妖術をすぐに出した。すると、大嶽丸は氷棘柱を大通連(だいとうれん)という刀で素早く切り始めた。


(これでも駄目か…)


青蘭が悔やんでいた。だが、まだ蓮が出した式神が残っていたのだ。蓮が式神を操り、それを大嶽丸に向けて攻撃をする。式神が持っている太刀でだ。


「これでいけるか…」


蓮は少し不安もありつつ、戦い続けた。すると、大嶽丸が持っていた大通連を落としたのだ。落とした位置とその距離の近くにいたの青蘭だった。


「青蘭の近くに刀がある!それを奪え!」


蓮が言っていたことを青蘭は素早く走った。足には自信がある。そのため、いける気がしたのだ。


(この感じはいける!あともう少し!)


素早く走る青蘭に気付いた大嶽丸は、急いで取りに行く。青蘭が大通連を奪うのか。それとも、大嶽丸が取るのか。


(もうすぐだ!)


青蘭は手を前に出した。大嶽丸も青蘭と同じようにした。すると、先に取ったのは。


「…はっ!これは…」


蓮は思わず口にだしてしまった。その光景を見て驚いた。


「これは…もしかして…」


海斗も蓮と同じ反応をした。


先に取ったのは、大嶽丸とギリギリ交わしていたにも拘わらず青蘭が刀を奪ったのだった。


「青蘭が刀を奪ったぞ〜!」


最初に喜んでいたのは蓮だった。その喜びで大声で声を上げたのだ。


(これで、1つの刀を奪うことができたか。僕はなんだか嬉しい気がする)


海斗は内心で喜んでいたのだ。それだけでなく、喜んでいる最中に微笑みを浮かべた。すると、蓮が「海斗〜!」と呼んだのだ。


「海斗さ、全然活躍がなかったよ!」


作り笑顔で言っていた蓮に対し、海斗は元の性格に戻ったのだ。


(え?僕を呼んだの?活躍がなかったってどういうこと…?)


海斗は何のことだか全く分からなくなった。そのせいで、どう返せばいいのかに対して戸惑っていた。


「あ、ごめんごめん。冗談だよ」


なんと、蓮は冗談を付いていたのだった。


「え!?冗談?冗談はやめてくださいよ!そもそもこの状況で冗談は付けないでしょ!普通は!」


海斗はなんやかんやでつっこんでしまった。



(何なんだよ…あの3人…俺、もう負けそう…)


大嶽丸は青蘭に大通連を奪われた。そのせいで、焦っていたのだ。


(だとしたら、もう俺は今まで負けたことがないというプライドが…)


今まで負けたことがないという自覚をもっていた。だが、3人に負けるとその自覚がなくなってしまうのだ。


(あ…そうだ…いいこと思い付いた…)


大嶽丸は、残りの小通連(しょうとうれん)騒速(そはや)の2つの刀を使うことにした。それを使うと災害を操れる。それだけではない。鬼の国全体に太陽のない真っ黒な雲に覆われた世界になるのだ。


(そうすれば、鬼の国全体に太陽が来なくなる…)


ニヤリとした顔をしながら、心の中で思っていたのだ。


(何考えているのだろう…)


それを見た青蘭は何か嫌な予感がしていた。大嶽丸のことだから絶対に負けとは認めたくないのだろう。けれど、倒さなければいけない相手だ。


(紅葉さんのためなら、倒さなければ…)


青蘭はそのことを最後までやり遂げると誓った。当然、青蘭が奪った大通連は無くしたりしないことだ。


急に雨がさらに激しくなってきた。その雨はザアザアと。小さな氷が人に当たるような痛さだ。


(何だこれは…この雨は聞いたことがない)


海斗にとっては今まで聞いたことがない。これは、現実の世界ではない天気だ。


「今から、俺は反撃を開始する!」


突然、大嶽丸が大声で言った。


(これは、まさに絶対に負けられない戦いになる。もし負けたら紅葉さんが危険だ)


青蘭は紅葉のことを考えると危機感を感じたのだ。大嶽丸がいつ、何の妖術を出すのかも読まないといけない。だとすると、これは難しい。


「もし、この決着に俺が勝ったら、当然あの()はもらうよ」


あの娘というのは紅葉のことだ。


「いいよ。そんなのはあなたの願いですもん」


海斗が淡々と言い返したのだ。この決着は最悪な事態になってしまった。このままでは3人は、どうなるのか。

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