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妖の追凶〜time of hell〜  作者: 羽波紫希
百鬼夜行、鬼女の追想編
29/61

29.大嶽丸の怒り

青蘭が崖の上で氷の妖術を使って家を作ってしまった。当然、2人は驚きを見せた。今、海斗と蓮はそのことに対し、理解が出来ないところだ。


「青蘭てさ、どうしてすごいのを作れるの?その術を使って」


蓮が咄嗟に質問をした。すると、青蘭は戸惑ってしまったのだ。


(なんだっけ…全然思い出せないな…)


全く思い出せなかった。記憶がないせいか、覚えてなかったのだった。


「まあ…あんまり覚えてないけど昔、作ったことはあるんだ」


返した答えは曖昧な感じだった。すると、海斗が「この家どうする?」と青蘭に聞いた。


「家ごと壊す」


それに対して、2人は「え〜!」と咄嗟に出てしまった。


「いやいや、そこは壊すとかではなく残すというのはどうかな?」

「そうだよそうだよ。壊しちゃうのは流石にもったいないよ」


海斗と蓮は必死に誤魔化すような口調で青蘭に説得した。すると、青蘭は何か言おうとした。


「2人とも何か勘違いしてないか」


2人は同時にえ?と驚きながら、頭がこんがらがった。青蘭がどのような思考をしているのかが全く分からない。そのせいで、青蘭の思考についていけなかった。


「今、火の粉が下に降ってる。それがだんだん強くなると俺の術も限界がきて溶ける。だから、一旦壊す」


その話に2人は納得した表情をした。すると、また海斗が「熱っ」と言ったのだ。そのことに気付いた2人は火の粉が海斗の皮膚に当たっていた。


「大丈夫か」

「僕は大丈夫。2人も火の粉に当たってない?」


2人は「そっか。よかった」と小声で返した。すると、火の粉の降る量が強くなったのだ。


「おい、なんか強くなってないか」


蓮が言った直後に青蘭が突然、「静かにして」と2人に命令をした。その命令で2人は静かにした。


(やっぱり青蘭はすごいな。この難しい状況でも判断が出来るなんて。実力の弱い僕や蓮に対しても助けてくれるし)


海斗から見た青蘭の決断は完璧だと思う。それはまるで将軍のような感じだった。



3人が崖の上にいて数時間が立つと、火の粉は次第に強くなった。そうなると、海斗と蓮は火の粉に当たり続けると大火傷。青蘭は氷の妖術があるおかげで大火傷はならない。だが、皮膚が黒くなる。


(やっぱり大嶽丸の刀を奪うしかないのか…だとしたらどんな方法で取ればいいんだよ)


青蘭は苛立ちながらも方法を考えた。そのときだ。

大嶽丸が突然海斗たちのところへ来たのだった。当然、刀を持っていた。そのことに気付いた3人は唖然とした。


「3人だけか。ま、でもいいや。先にあの生け贄も含めて切ろうか」


大嶽丸は悪巧みな表情をしながら言った。すると、海斗が息を大きく吸い、何か言おうとしていた。


「やってみろよ!僕も今、おまえを許さない!」


海斗は堂々とした態度で言ったのだ。またいう続きがあった。


「そして、僕は今、百鬼札という武器がある!だから、これで…」


海斗が上着のポケットから取り出しながら言った。すると、ポケットの中に百鬼札が無いことに気付いた。


(あれ…無い…)


その場の雰囲気は、火の粉が降る以外静かだった。青蘭、蓮、大嶽丸はなにも喋っていなかった。


「あれ…ちょっと待ってよ!いやいや絶対、ポケットの中にあるはずだよ」


何度も探してみたが百鬼札はなかった。と、そのときだった。青蘭の着物の懐から一枚の百鬼札を取り出したのだ。それを海斗に気付かずにそっと後ろへ行き、すぐに海斗の額に強く貼り付けた。


「痛っ!」


海斗は青蘭の叩く力が強すぎるせいで叫んでしまった。その後、百鬼札の力により海斗の性格が傲慢になったのだ。


「おい、誰が俺の額を叩いた?」


それに対し、青蘭は知らないフリをしていた。すると、ずっと待っていた大嶽丸はとうとう苛立ち始めたのだ。


知らないフリをしていた青蘭に対し、海斗は青蘭を疑った。


「おい、青蘭。おまえがやったのか?」

「いや…俺は…やってないよ…気のせいじゃないの…」


青蘭は、戸惑いながら返した。けれど、蓮が海斗に「ねえねえ」と話しかけたのだ。


「やったのはこいつだぞ」


蓮は海斗の耳に向けて小声で言った。すると、海斗は青蘭に対し、起こり始めたのだった。


「青蘭!俺に嘘をついたな…」


そうなると、青蘭もとうとう誤魔化しきれなくなった。


「すみません…嘘を…付きました…」


それでも海斗は百鬼札を貼り付けているため、傲慢で自己中心的な性格になっている。だから、怒りを抑えることが困難であったのだ。


海斗と青蘭は今、言い合いになっている。それを蓮も見てどうすればいいのか分からない。


(あ…喧嘩か…もういい加減仲直りして…)


そう思っても仲直りになるわけがない。すると、苛立っていた大嶽丸はとうとう妖術を出してしまった。もうそれは、怒りのサインだった。


その妖術は、雲が黒くなり、雷も強くなった。それだけでなく、嵐も最大の強さになり、火の粉の量も多くなったのだ。


「もうお前ら…俺はもう怒りをぶつけることにした。だからもうこれからは戦闘へ行こうか」


大嶽丸は戦うことを決めた。それに対し、蓮も式神を出す準備をした。言い合いになっていた2人も蓮と同じようなことをした。すると、海斗は幻覚を見た。


(…はっ!何これ…妖怪たち?)


海斗が見ている幻覚は妖怪やその魂が見えていた。それだけでなく、青蘭と蓮、大嶽丸がいなかった。そのあと、元の場所に覚めた海斗は急に仰向けになって倒れた。


「おい!海斗!?大丈夫か!」


それに気付いた蓮と青蘭はすぐに海斗のところへ行った。


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