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妖の追凶〜time of hell〜  作者: 羽波紫希
百鬼夜行、鬼女の追想編
28/61

28.雨水の正体

「蓮もそういうところあったんだね」


青蘭に言われた一言で「まっ、まあな」と顔を真っ赤にしながら言った。


「足引っ張ると行けないと思ってな」


蓮はぶっきらぼうに返した。すると、それを見ていた海斗はただ無表情でいたのだ。


「ねえ、海斗はさっきからぼけ〜としてるけど何してるんだ」


また蓮に気付かれたのは2回目だった。すると、海斗が元の性格に戻りそうだ。なぜなら、海斗のおでこに張り付けている百鬼札が外れそうだから。


(これって、もしかして…このままだと外れて妖の力がなくなってしまう!)


青蘭は心の中で焦ってしまった。妖の力が切れてしまうといけない。そう感じた青蘭はすぐに百鬼札を外した。すると、海斗の性格がもとに戻ったのだ。そのことで青蘭は安心した。


「え…僕…」

「海斗、百鬼札を使って戦った?」


そのことに対して戸惑っていた海斗は「あ、そうだった」と思い出した表情をしながら答えた。


(本当に喋れてよかった…)


蓮は心の中で安心したと感じた。


「あ〜やっと終わった」

「もう式神が少なくなったから残りは刀を奪うだけだね」


海斗と青蘭が話した。大嶽丸が出した式神が少なくなったおかげで3人はすっきりした表情をしていたのだ。すると、海斗はあることに気付いた。


「紅葉のこと忘れてた!」


紅葉のことだった。海斗が式神と戦っている間に海斗の後ろで待っていたのだ。そのことを2人に話した。


「え、じゃあつまり、紅葉は今もそこで待ってるてことなの?海斗」

「うん…そうなの」


青蘭は、何も返さなかった。けれど、このままだと紅葉が大嶽丸に連れていかれてしまうと心配になってきた。すると、蓮が何か言おうとしていたのだ。


「海斗、紅葉のことなんだけど大丈夫。元緋と一緒にいるから」


海斗はそのことにほっとしたのだった。



3人は元緋と紅葉のところへ行こうと向かった。多分、崖の上から降りていったのだろう。3人も同じようにすると、空が急に真っ黒になってきたのだ。


(何か嫌な予感がする…)


海斗はそう感じたのだった。大嶽丸がそろそろ次の攻撃を準備しているのか。それとも、海斗を生け贄にされるのかと予測した。


真っ黒な空は次第に悪くなった。蓮の式神でその空を止めてくれたのに。


(クソっ。やっぱり刀を奪わないと駄目なのか…どうすればいいんだよ…)


海斗は悔やんでいた。それを見ていた青蘭も海斗と同じようなことを考えていたのだった。


(そうだよな…酒呑童子様も言っていたがやはり勝てないか…)


そのようなことを言っていたのを思いだしながら考えた。確かに酒呑童子の言う通り。勝てるわけがない。


すると、勝つ方法を2人が考えていたときだ。蓮が着ている黒いパ一カ一にかかった。そのせいで、「熱っ」と思わず言ってしまったのだ。そのことを見た2人が急いで蓮のところまで向かった。先に着いたのは海斗だ。


「どうした?」

「なんか、急に熱いのがかかったっていうか。よく分かんないけど気付いたら俺の服に穴が開いてた」


2人が見ると、確かに蓮のパーカ一に小さい穴が開いていた。すると、海斗も「熱っ」と小声で言った。近くにいた2人も海斗が着ていたシャツに蓮と同じ大きさの穴が開いていたのだ。


「海斗も!?嘘だろ…」


蓮も思わず驚いてしまった。青蘭が空を見上げると雨が降っていたのだ。その雨を近くで見ると、それは雨水ではなかった。


(え…何これ…)


青蘭が見た雨の正体。それは、火の粉だった。空襲が来ているわけでもない。だとすると、これは大嶽丸の妖術の仕業だと青蘭は憶測した。


(そういうことか…大嶽丸…本っ当に何考えてるのか全然分からないよ)


青蘭は心の中でわかった気がしたのだった。


「海斗、蓮!この雨の正体は火の粉。つまり、火の雨。これも大嶽丸が操ってる!」

「なるほど。大嶽丸の仕業か。だったらまず、この雨を止めないと!」


海斗は、2人に説得した。すると、「待て」と青蘭が急に言った。


「なんで!?」

「青蘭、どういうことだよ」


青蘭が待てと言ったことにどういうことなのか2人は全く分からなかった。


「そう慌てるな。まず、雨を止めることはできないがこの地面を凍らせることならできる。それで時間稼ぎだ」


冷静な判断だった。青蘭がそのような判断をすることが優れていた。それはすごい。


(僕もそんな判断が出来てたらな…でも、僕は急に妖になると性格が分かんなくなるんだよね)


海斗は青蘭と比較をした。これは当然、反対なところが多かった。


(俺もその判断が欲しい。けれど、俺は少し冷静が欠けるところもある。俺より年下の人が判断出来るなんて…いや、これは認めよう)


蓮は青蘭に嫉妬することを我慢した。なぜなら、嫉妬するところではないからだった。自分を磨くしかない。蓮はそう感じた。



火の雨は次第に強くなった。そのせいで体温も暑くなった。青蘭が妖術を出す準備をし、2人はその場から少し離れた。


すると、地面が凍った。それだけでなく、家まで作ってしまったのだ。土地まるごとだった。その家はシンプルなデザインだった。


「え…嘘…青蘭、これどうした…」

「あ、俺もそれ、よく分からないで作った」


青蘭がそう返すと2人は唖然とした。


(青蘭、こんなのも作れるんだ…俺、全くついていけない)


蓮は青蘭に対し、理解できなかったのだった。

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