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妖の追凶〜time of hell〜  作者: 羽波紫希
百鬼夜行、鬼女の追想編
22/61

22.過去の記憶 その参

先に赤兎が手を差し出し、魔方陣から精霊を使う妖術を出した。


(一期一霊・炎獣)


その技は、魔方陣から炎属性の猛獣がでて、相手に襲いかかるのだ。精霊のときより3倍は強い。


その技に対し、雷千もまだ負けてない。雷千の妖術は雷を操ることだ。赤兎に勝てるかは分からない。それでも、雷千は攻撃を読まれないように素早く避けた。


(少し当たったが大丈夫だ。これなら行ける)


雷千は、次の攻撃に備えて妖術を出すをするつもりだ。そのため、先に太刀を出した。それを見ていた赤兎は退屈そうに見ていた。


(暇だな〜本当に)


そうしていると、雷千が最後の体力を使おうとした。太刀を構えていたのだ。顔つきもまるで別人のようだった。


「おい、赤兎。これで最後の勝負だ。秋楽の仇として」


すると、赤兎も初めて本気を出したのだ。今まで出さなかったのはやる気がなかったからだ。


「いいよ、君は俺に対する復讐か。それじゃあ、俺も最大の妖術を出そうか」


2人は本気を出し始めた。まず最初に出したのは赤兎だ。


(一期一霊・鬼王(おにのおおきみ)


すると、魔方陣から巨大な鬼が出て来たのだ。それを見た雷千は驚いた。


「これでどうかな〜。もう俺には勝てないと思った方がいいんじゃない」

「いや、俺はまだ行ける。ここで負けるのは嫌いだ。たとえ負けてもまた一からやり直すし努力するよ」


発言を聞いて、赤兎は「やり直すか…」と独り言を言っていた。その表情も冷たい顔になっていたのだ。


「けどね、これだけは言える。何度も繰り返すといつか達成が来るかもしれない」


雷千は、はっきりと言った。そのことに対して赤兎は鬱陶しいと感じたのだ。そして、赤兎が出した鬼を戻した。


「へえ〜、もういいや。やっぱ君を殺すのを先にしよう」

「いいよ。じゃあ、俺もお前を殺す」


すると、雷千は同意をした。再び、殺し合いが始まると先に出したのは赤兎だ。同じように魔方陣を出し、今度は炎属性ではなく雷属性の猛獣が出た。


それに対し、雷千は平気な顔をしていた。なぜなら、雷属性の鬼たちと戦ったことがあるからだ。そのため、行ける気がした。


電光雷電(でんこうらいでん)・乱反射)


その妖術はとても恐ろしかった。激しい音がする雷が次々と部屋の壁を反射したのだ。そして、その雷が猛獣に当たり、消えた。それを見た赤兎は舌打ちをした。


(これだったらいける!俺の努力の成果かなんだか調子がいい!)


雷千は、次第に冷静感がなくなっていた。


「おい、赤兎。次の攻撃は耐えられる?」

「何だ。次って」


雷千が手から雷を出していた。表情も狂っていたのだ。それを止めようと赤兎も何かしら攻撃をしようとした。その時だった。


(…っ!しびれた!今のは何だ)


しびれて攻撃を出すことができなかった。もう一度だそうとしても同じだ。


「おい、何をしたんだよ」

「これか。俺が仕掛けたんだよ、ちなみに初めて自分で考えたんだ」


赤兎は悔しい表情をしていた。これで、雷千はチャンスだと思った。


(これでとどめだ!)


そして、雷千は止めを刺すために最後の妖術を出すつもりだ。


(電光雷電・百打一音(ひゃくだいちおん)


すると、たくさんの雷が100発壁に反射しながらなった。それは、赤兎もさすがに避けきれない量だ。


(くそ!避けても避けきれないだと!?)


赤兎は100発も雷に打たれた。そのせいで動かない状態になってしまった。雷千も体力がぼろぼろだ。城ももう少しで崩壊しそうだ。赤兎のところへいった。


「これで分かったな。負けた気持ちは」

「あ…」

「だったら、罪を償いな。それが嫌だったら勝手にしろ」


雷千が冷たく言ってその場を去った。



城から出ると、部下たちと紅葉が待っていた。雷千の表情はあまり嬉しくなかった。


「雷千様、秋楽様のほうは」

「それが、もうだめだ。赤兎のせいで」


それを聞き、部下たちも喜べない状況だ。目の前にいた紅葉もどうすればいいのか分からない。


(私がもし、赤兎の娘だと知られたら殺される…かも…)


そうなるといけないので、隠し通すことにしたのだ。すると、雷千が紅葉のところまで来たのだ。


「紅葉、これから俺たちと一緒に貴族として暮らさないか。君はまだ小さいし一人だと可哀想だと思って」

「本当に…いいんですか。雑用だったら何でも…」

「は!?雑用って…君はやらなくていいんだよ」


そうなると、紅葉は戸惑ってしまった。本当に貴族としてでいいのかわからないが、暮らそうと思ったのだ。



雷千たちが住んでいる家へ着くと、そこは鬼の貴族たちがいたのだ。気がつくと紅葉と雷千だけになっていた。外観も寝殿造のような建物だった。すると、背後から子供の鬼が雷千のところにいたのだ。


「おい、雷千!体がぼろぼろでどうした?」

「おいって…」


その子供の鬼は7歳くらいの見た目をしていた。水干(すいかん)の格好をしていたが、髪型が乱れていたのだ。


「それより(はる)、なんで髪がボサボサになってるんだよ。あと藁の草履をはいてきてさ」

「だってさ〜逃げてきたときに置いてきちゃったもん。あと髪をきれいにするのめんどくさいもん」


それに対し、雷千はため息をはいた。すると、晴が雷千のとなりにいた紅葉に気付いたのだ。


「雷千、その女の子誰なの?」


それに対し、雷千はなんとかごまかそうとした。けれど、戸惑ってしまったのだ。言うことが決まり、言おうとしたときだった。


「もしかして…彼女?」

「いや…彼女じゃなくて一緒に暮らす子供で」


そのことにも気付かず、晴は走り回りながら大声で叫んでいたのだ。


「らいせんに〜かのじょができました〜!!」


雷千は顔を真っ赤にしながら追いかけた。


「彼女じゃないってば!」


怒る表情をしながら言った。


(何だか…この2人って…)


紅葉はどういう状況なのかが全くわからなくなってしまった。












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