19.鬼の国の最強妖怪・酒呑童子
翌日の朝になり、3人は鬼の国へ向かう支度を追えた。明雄と日陽に挨拶をし、家を出た。その直後、青蘭は蓮と元緋に何か言おうとしたのだ。
「蓮、元緋。今から黄泉駅から鬼の国へ向かうことにする。だから、俺に着いてきて」
そのことを聞き、で2人は同意した。
黄泉駅へ着くと、電車が来るまで3人は椅子に座って待機した。
(ここら辺、なんか酒臭え匂いがするな…)
元緋は嗅覚は人一倍敏感だ。そのため、匂いが分かる。元緋が回りを見渡した。すると、酒を飲んだあとの酔っぱらっている歩く複数の中年男性がいたのだ。
(うわ、やべえだろ…酔っぱらってるし。この駅は本当に無理だ…)
元緋は呆れた顔をした。電車が来るまで耐えることにしたのだ。
数分後になると、ようやく電車が来たのだ。その電車は左から来るようだ。左から正面を見ると、そこには『鬼の国行き』と書いてあった。
(やっと来た〜!よかったぜ)
3人は急いで中に入り、座席に座った。その席は向かい合いで2席あったのだ。右側に蓮と元緋。左側に青蘭が座っている。座ったあと、元緋は酒臭い匂いがなくなり気が抜けた。
「まもなく〜出発しま〜す」
アナウンスが聞こえた。その直後、自動的にドアが閉まり、電車が走りはじめたのだ。行き先は、鬼の国。そこまでは途中で降りることはできない。
蓮は電車の中で何か会話をしようと2人に話しかけた。
「そういえば2人とも、年はいくつなの?ちなみに俺は18」
「う〜ん…俺は多分…400はいってるかも」
元緋が答えた後、蓮は驚いた。小柄な中学生みたいな見た目で400歳以上くらいだと思わなかった。
「ちなみに青蘭…」
蓮が話しかけたときに、青蘭の姿が人間になっていた。後に元緋もその姿を見て驚いた。2人同時で「誰?」と思わず大声で聞いてしまったのだ。すると、青蘭が静かにの合図をしていた。
「あ…驚かせて悪い。ここら辺、俺は有名人だから人間に化けてるだけ」
「そうなんだ…あ〜青蘭でよかった…」
蓮と元緋は安心した。すると、突然、アナウンスの音がなったのだ。
「まもなく〜鬼の国〜鬼の国へ着きます。お忘れのないようお気をつけてください」
もうすぐ鬼の国へ着くようだ。思っていたよりあっという間だった。
駅に着き、ドアが開くと3人はすぐに降りていった。そこは、たくさんの鬼たちもいたのだ。なるべく、青蘭は見つからないように早歩きで行った。2人も青蘭について行く。
(鬼の国ってなんか都みたい。でも青蘭の歩く早さが早いな…)
蓮が好奇心に思ったことを心の中で感じた。すると、3人の背後から牛車が通ってきたのだ。危ないと思い、右へ避けた。3人のところまで来ると突然、牛車が止まった。
「あなたたち人間は、酒呑童子様がいる『大江山』のところまで行きますか?」
そう聞かれ、当然3人は「はい」と答えた。
「よかった〜あ、ごめんね。自分の給料のために誰か乗せないといけないので…」
「そうですか、俺たちも酒呑童子様のところまで行くつもりなので丁度よかったです」
早速、牛車に乗り、『大江山』というところまで送ってもらうことになった。その中で蓮と元緋は寝てしまったのだ。この2人は仲がいいと青蘭は感じた。そのうち、青蘭も気が抜け、疲れて眠ってしまったのだ。
数時間がたった。先に目を覚ましたのは青蘭。外の天気を見ると、雨だ。鬼の国は天候は変わりやすいと聞いた。けれど、今回は嵐が来そうだ。大嶽丸を倒せばこの天気が来なくなる。
(酒呑童子様は久しぶりに会うな。どういう顔をされるのでしょう)
青蘭にとって、酒呑童子に会うのは初めてではない。青蘭の父親と親交が高いため何度もあったことがあるのだ。
『大江山』へ着くと、そこには城が建てられていたのだ。そこでも牛車で送ってもらうことになった。
城に着くと、そこは土地が大きく豪華な装飾もある。3人は中に入ろうとしたがそこには合言葉を言わないと行けなかった。青蘭がノックをした。すると、質問をされた。
「酒呑童子様の好きなものは」
それに対して青蘭は「酒」と答えた。
「2人ともこうやってやるんだ。もし間違えるとひどい目に遭わされる。酒呑童子様は嘘が嫌いだから」
蓮と元緋は頷きながら「なるほど」と言った。そのあと、青蘭の姿が妖狐に戻った。
中へ入るとそこは、とてつもなく豪華。金銀財宝。たくさんの鬼女の召し使いがいる。
「この部屋に酒呑童子様がいます」
鬼女の召し使いの一人が言い、3人は中へ入った。すると、本当に酒呑童子がいた。
(本当にいた。でも、隣は…あ、確か茨木童子のような…)
青蘭は直感で思い出した。茨木童子は酒呑童子の第一部下なのだろうか。向かい合いにいる2人の視線が怖い。すると、酒呑童子が何か言おうとした。
「では、ご用件はなんだ」
それは、青蘭に対してだった。
一方、海斗と紅葉が目を覚ますとそこは崖の上で仰向けになっていたのだった。縄で縛られ、逃げられないようになっていたのだ。
「ここは…崖…?」
海斗の方は、意識はあった。けれど、眠っていたせいか、からだが動かない。そこに紅葉も同じような状態でいたのだ。
「紅葉さん…大丈夫か…」
「鳥山くん…私は…大丈夫…私たち…ここで…殺されるかも…」
海斗は目を大きく開けながら驚いた。もしかすると、大嶽丸という妖怪に殺されると。
「これは…私のせい。あのとき、あの漫才師は多分大嶽丸の式神かもしれない」
それを聞き、2人を眠られたのだと知った。
「そんなことはない…紅葉さんのせいではない。あのとき、僕も知らなかったから」
海斗が言ったあと、紅葉が突然、眠ってしまったのだ。海斗は必死に紅葉の名前を複数言いながら起こした。それでも駄目だった。
(僕は、なんで…)
海斗は落ち込んでしまった。紅葉が再び目を覚ますことはあるのだろうか。




