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妖の追凶〜time of hell〜  作者: 羽波紫希
百鬼夜行、鬼女の追想編
18/61

18.失踪

翌日の朝になると、壁や壊されたものは元通りになっていた。これは明雄が業者を呼び、直してもらったおかげだ。


海斗は紅葉とどこかへ出掛けることになった。自分の部屋で海斗が出掛けの支度を終え、玄関へ向かうと紅葉が先に終えていたのだ。今日の服装は和服ではなくガ一リ一系だった。


「紅葉さんは支度するのが早いですね。僕なんて性格的にのんびりしてるからいつも遅いんですよ」


海斗が穏やかな口調で言った。


「いえいえ。私はただこういうのは慣れてるだけなので」


それに対して、紅葉は遠慮がちに返したのだ。すると、居間の襖から除かれていた。そこにいたのは、蓮と元緋が睨んでいたのだ。2人はそうとう紅葉と出掛けたかったのだと海斗は思う。けれど、青蘭がいないのだ。


(まだ見てないけど、もしかして、青蘭は夜更かししたとか?)


海斗はニヤリと笑いながら憶測をしていた。それを見た紅葉は海斗が何を考えているのか全く分からない。あるいは読めなかった。すると、蓮と元緋が海斗に睨み付けながら海斗のところへ行った。


「海斗、何時になったら帰るんだ」


元緋が冷たい口調で帰る時間を聞いた。


「時間は…分からないけど夕方には帰ります」


2人の視線があまりにも怖い。そのせいで緊張してしまい、丁寧語になって返してしまった。


海斗と紅葉は家を出て、ふと気がつくとどこへ行きたいのか決まってなかった。歩きながら何か会話をすることにしたのだ。


「紅葉さんはどこへ行きたいですか?」


海斗が紅葉に行きたい場所を聞いた。


朝国(ちょうこく)に行きたいです。色々な店があるのでそこを回りたいから」


それを聞き、海斗は見覚えがあったのだ。前に海斗が黄泉の国へ始めてきたときのこと。あまりにも死者の人口や店が多かった。それが朝国という名前だったことを始めて知った。


「もしかして、その街って前に紅葉さんが誰かに連れていかれそうになってそれを僕と青蘭が助けた場所ですか?」

「そうです!だから今回は私がおごります」

(え!?紅葉さんがおごる!?いやいや、普通は僕だろ!何してるんだ、しっかりしろ!)


紅葉がおごると言って、今、海斗は心の中で焦ってしまった。すぐにポケットと鞄の中身を確認すると、財布が入ってなかったのだ。


(あ!?しまった…僕の部屋に忘れてきた…)


すると、それを見た紅葉は「どうしたんですか?」と聞いた。それに対して海斗は「いえ…なんでもありません」と答えたのだ。これは、完全に嘘をついてしまった。紅葉に心配をかけたくないからだ。



朝国に着くと前と同じくらい混んでいたのだ。そのせいで、人にぶつかりそうだ。ふと、紅葉はあることに思い出した。


「あ、そういえば、あなたのことは何と呼べばいいですか?」

「確かに、名前を言い忘れましたね。僕は鳥山海斗。海斗と呼んでいいですよ」


すると、紅葉は「でも、私はちょっと呼びにくいです」と言った。それに対し海斗はなんでと聞くと紅葉は返答した。


「私…実は…呼び捨てで呼ぶのが苦手なのです。だから、あなたのことを…鳥山くんと呼んでもいいですか?」


"鳥山くん"と呼んでいいかと聞いたとき海斗は戸惑ってしまった。名字にくん付けで呼ばれると海斗は緊張し、体がガクッと固まり顔が真っ赤になるのだ。


海斗が小学1年生だった頃、海斗が好きだった女の子に名字にくん付けで呼ばれたことがあったのだ。それ以来、そのことになると戸惑うことが多くなるのであった。


(あ…まずい…鳥山くんって…)


そのことで海斗は頭の中が混乱してしまっていた。


「あ、すみません。私のわがままで…」

「全然大丈夫ですよ。僕、久しぶりに呼ばれて嬉しい」


海斗は微笑みを絶やしながら言った。いつの間にか紅葉に対してもため口になっていた。なぜだろうと海斗は自分で問い詰めた。けれど、それは分からないままだ。



2人は朝国でいろいろな店を回ったのだ。海斗にとってはいい機会だった。まるで、恋人同士見たいだ。すると、紅葉が海斗に何か話しかけようとした。


「鳥山くん、今度はあそこの店の前で何かパフォーマンスをしているみたいだけど行く?」


紅葉がお面屋の前を指しながら言った。そこでは何か漫才をやっていたのだ。ここら辺は人も通っていない。気が付くと紅葉も丁寧語からため口へと変わっていた。当然、海斗は「行って見よう」と答えた。


2人はお面屋の前へ行くと本当に漫才をやっていたのだ。本当に面白い。けれど、始まったばかりかお客さんが1人か2人くらいしか来てないのだった。


「これから〜この人が変顔をお見せしますぜ〜!」


漫才師の一人が布で相方の顔を隠し、すぐに外すと相方が変顔をした。もう一度隠すと、また変顔。それに対し、2人はあまりにも面白いので笑ってしまった。何回も繰り返し(たまに真顔)、続けられると2人の笑いが止まらない。


数時間後、2人は眠くなり、その場で眠ってしまった。その漫才師は道具を片付け、2人をどこかへと連れて行ったのだ。



一方、草薙家にいる蓮と元緋は、居間で怠けて過ごしていた。青蘭は、退屈そうな顔をしながらテレビを見ていた。すると、蓮があることに気付いたのだ。


「ねえ、そういえば、海斗と紅葉さんは帰っているか?2人とも知ってるか」

「俺は知らないぜ。あの2人全然帰ってないな。夕方には帰るって言ってたのに」

「そういえば、俺も見てない。日陽くんの面倒を見てたから」


それに対して蓮は「そっか」と言った。


(もうすぐ夕方なのに、まだ帰ってないなんて…何かあったに違いない)


ふと、蓮は思い出した。もし、紅葉が突然いなくなったらについたのことを。


「元緋、青蘭。明日、鬼の国に行こう」


蓮が行くと言った。それを聞き、2人は少し戸惑ったが行くしかないと思い行くと決めたのだ。すると、青蘭が何か言おうとした。


「俺、鬼の国の行き方知ってるかも」


それを知って、蓮と元緋は驚いた。星蘭について行けば、鬼の国へ行けるかもしれない。そう思い、明日、鬼の国へ行くことにしたのだ。





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