12.傀儡師
(この顔立ちとかもしかして!?)
蓮が何かを思い出す。それに対して元緋も同様した。
(もしこの妖怪を倒せば、あの一家を全滅させるチャンスはあるかも)
こうしている間に海斗は、リュックの中から百鬼札を取り出した。それをペタッとおでこに張り付けると自己中心的な性格になったのだ。
「俺はな、今気分転換っていうのをしてるんだよ。愚かな人間たちと戦っている暇はねえ」
蓮と元緋はそれを聞いてニヤリと笑った。すると、百鬼札があっという間に細かく切り刻まれてしまった。そのせいで自己中心的な性格だった海斗が元の性格に戻る。
「残念。俺と蓮には効かない。だって蓮はただの死者だし俺は鬼と人間のハ一フだもん」
元緋が言っていたことを聞き、2人は思い出した。百鬼札は妖の力は持っている。それは妖怪だけが対象として使える。けれど、蓮と元緋のような妖の能力がないには効かない。
「だったら俺が退治されればいいだけだろ。海斗まで巻き込むのはさすがにあんまりだ。ここで決着をつける」
青蘭が怒るような口調でいうと蓮が2回首を振った。その反応に海斗と青蘭は驚いてしまったのだ。
「それは断る。今、俺たち2人は『傀儡師』を探ってるところだ。だから、決着を付ける暇もない」
蓮が淡々と答えた。『傀儡師』というのは何なのか2人は気になる。一体どういう存在なのかと思い海斗が『傀儡師』とは何かを堂々と質問した。すると、蓮と元緋がその質問に対してすぐに応答する。
「『傀儡師』とはな、簡単に言うと人や組織を操ってその情報を盗んだあと全滅させる正体不明の5人組凶悪犯だ」
元緋が2人に分かりやすいと思われるように一生懸命簡単に説明をした。そのあとに蓮も詳細を淡々と話す。
「現実の世界でも少し行ってるから。どこにいるか誰なのか、も分からない」
海斗は現実の世界でもいるかもしれないと聞き、気付かなかった。すると、黙って聞いていた青蘭がなぜ2人が『傀儡師』を探っているのかを質問した。その質問に2人は少し戸惑いもあるけれど、仕方ないと思い答えていく。
「俺は、家業で『烏』という隠れて陰陽師をしている。きっかけは俺の家族が妙な感じで殺されてから始まった」
妙な感じと聞いて、2人は気になり始めた。その続きを蓮が言うと蓮の家族は父・祐一郎、母・陸海、兄・夏輝、妹・美波の5人家族だ。陰陽師の仕事をしていることは外では言わないことにしているため、見た目は家族全員普通に仲良く暮らしていた。
「蓮、天体観測に興味ないか」
父が二階建ての家のベランダに建っていた蓮に話しかけた。このときは小学生の頃だ。
「天体観測か…少し興味あるかも」
蓮は、少し戸惑いながら言うと父はそのことに受け入れた。その後、蓮は明日から天体観測をやり続けたのだ。そして、時は流れ、蓮は高校生になっていた。
蓮が塾から帰ってきたとき、父が奇妙な姿で殺されていたのだ。ただの殺害方法ではなかったと蓮は感じた。最初はただの殺人事件だと思ったが、しばらく警察に調べてもらっても証拠が見当たらない。そのせいか、捜査も打ち切りになり、蓮は悔しい思いをした。その思いが後に復讐心へと変わっていったのであった。
「ちなみに元緋とは黄泉の国で出会った相棒だ」
相棒だと聞き、青蘭はなんとも思わなかった。だが、海斗は相棒と友達の違いがわからない。そのせいで蓮の話についていけなくなってしまったのだ。タイミングを見て話を止め、質問することにした。
「じゃあ、つまりこの2人は友達じゃないってことですか?」
海斗の質問で蓮は友達なのか微妙でどう答えればいいか分からない。そのため戸惑った。
「友達…なのか?俺たちは」
「もちろんだぜ!俺にとって蓮とはな」
蓮が言った直後に蓮の背中を1回叩きながら元緋は言った。その顔はお茶目だったのだ。
「ということだ。俺たちは『傀儡師』に復讐をするために旅をするふりをしてる」
海斗と青蘭は納得した。『傀儡師』という正体不明の5人組凶悪犯。どこに潜んでいるかわからない。今も人間に変装して黄泉の国に侵入しているか。それとも、人間同士の凶悪犯なのかもしれない。そのためには自分自身の実力で探るしかないのだ。
「その前にお前たちにはやってほしいことがある」
すると、2人は気になり始めた。その続きを蓮がまた続きを言う。
「俺たちと一緒に組んでほしい」
それに対して、2人はすぐに同意することはできなかった。海斗は懐中時計と黄泉の国との関係性を探らなくては行けない。そのため、まずは、懐中時計を取り返しに行くつもりだ。青蘭のほうは記憶を取り戻す旅に出ている途中だった。また、許可なく黄泉の国へ行ってしまったことで、指名手配を逃れ、逃亡しているでもある。
数分後、2人は検討した末、組むことにしたのだ。
「僕も組みます。僕のほうはやらかすこともあるけど何とかしますので」
「俺もだ。何かできることもあるかもしれないから」
蓮と元緋は今は非常に嬉しい気持ちだった。こうして、ペア同士で組んだのだ。




