心機一転
導入編の第一部が終了、急展開の第二部開始にあたり、登場人物を整理します。
【綾小路翔太≪あやのこうじしょうた≫】
この小説の主人公。都の西北大学3年生。曾祖父の祖父が国王だったため王位継承権を持つ。京都府出身、両親は幼い頃に事故で死去、祖父母に育てられた。大学進学を機に上京して一人暮らし中。182㎝、74キロ、身体は頑健、精力絶倫。周囲に流されやすく、細かいことは気にしない性格。
【葵≪あおい≫姫】
大和国国王の一人娘。目白台大学大学院一年生。責任感は強いが愛嬌はまるでなし。同世代の男性が大の苦手、彼氏いない歴23年の処女。ファーストキスのお相手である主人公に遅い初恋中。
【雅≪みやび≫姫】
国王の弟君の長女、26歳、大学卒業後は弟陛下ご夫妻のご公務の補佐をしている。菜々緒似のグラマラスな美女、派手な外見に似合わず意外と気まじめな性格で、男性経験は五年越しの付き合いの彼一人。その彼とうまくいっておらず主人公との二股を画策中。
【星≪あかり≫姫】
国王の弟君の次女、目白台大学四年生。何事にも積極的で行動的、男性経験は片手ほど。身分を隠して早々に主人公と関係を持ち、現在は主人公のセフレのポジションを獲得。
【愛≪めぐみ≫姫】
国王の弟君の三女、目白台大学付属高校三年生。王族きっての情報通で各所に情報網を張めぐらせている。主人公を兄さまと慕っている。
【菫≪すみれ≫姫】
国王の弟君の四女、目白台大学付属小学校五年生。両親想いで、お世継ぎを産むために自ら主人公にプロポーズ、本人は自分こそ主人公の婚約者と思っている。
【瓜生≪うりゅう≫】
王室庁の役人で侍従、国王ご一家の王家の執事役。年齢不詳、下の名前も不明。
【黒島紗香≪くろしまさやか≫】
王室付きの女官、32歳。実は内閣府諜報室からの出向で腕利きの秘密諜報員。主人公も彼女のハニートラップにあった。現在のミッションは主人公にお世継ぎの種付けをさせること。主人公を粗雑に扱うことも多いが、彼の種馬としての能力は評価している。
【国王陛下】
大和国第154代目国王、62歳。前国王の長男。
【妃殿下】
57歳、国王に見初められ民間よりお嫁入り、元エリート官僚。
【弟陛下】
57歳。前国王の次男。
【妃殿下】
52歳、目白台大学卒、御父上は元目白台大学学長。
フリーメモ
とある真夏の夜、黒島さんのハニートラップにからめとられてから早や三週間が経過、環境の激変に戸惑うばかりの毎日だ。
まだまだ暑い日が続いてはいるものの、慌ただしい中で季節は徐々に秋へと移り変わっていく。
王位継承者などというとんでもない重責を背負うことになってしまったが、ここは心機一転、今の状況の中で、自分のできる最善を尽くそうと気持ちを切り替えた。
王位継承権所有者であることを告げられたその週末、早速荷物をまとめて王宮の敷地内にある職員寮に引っ越しをした。
俺の住んでいたのと同じ二階建て、各階四部屋ずつのアパートメントタイプだが、部屋の広さ、豪華さは全然違う。
部屋は1LDKながら、ベッドルームがリビングと同じくらい広くて、単身者には不釣り合いなダブルベッドが置かれ、風呂場も不必要に豪華だ。こんな部屋を俺にあてがう人の魂胆が透けて見えるようだ。
自分は1階の左端の部屋、2階のに右端の部屋に黒島さんが住んでいるが、それ以外に住民の気配はしない。多分空き室なのだろう。
今はまだ大学が夏休み期間中なので、午前中は瓜生さんの王室の歴史のレクチャーを受けている。採用前研修、インターンシップということになるのだろうか。これがなかなかに興味深い。
例えば俺のように国王のひ孫の孫が王位を継ぐことは前例のないことではなくて、大和国第26代のケータイ王は、第15代のオージン王の五世の孫で、25代のブレツ王に跡継ぎがいなかったため、ブレツの妹君と結婚して王位を継いだそうだ。
なるほど、まるでほぼそのまま今の俺の状況だ。ま、もっともこれは今から1500年以上前の話なんだけどね。
大学では、バレーボール同好会に所属していたが、練習にも、夏合宿にも行けそうにないし、残念だけど退会せざるを得ないだろう。
毎年夏休みには二週間程度、京都の祖父母の元へ帰省していたが、これも延期せざるを得なかった。二人には今回のことはまだ話していない。いずれ帰省してゆっくり事情を説明しないと。
黒島さんからは姫様たち五人全員と黒島さん、瓜生さんの連絡先が登録されたスマホを受け取っている。これを使って姫様たちと個人的な連絡を取ることは全くの自由だ。
葵姫は、どうやら俺を避けているようだ。
毎日メッセージを送っているのだが、既読は秒でつくものの返事が全くない。いわゆる既読スルー状態だ。
あの日以来、星姫との関係は続いていて、三日と空けずに俺の部屋に泊まっていく。
菫姫にプロポーズした経緯を正直に話したが、彼女には一笑に付された。とにかく菫姫だけにはこの関係がばれないようにと、くれぐれもお願いをした。
その菫姫だが、これはもう、相思相愛の婚約者ということになる。
なにせ小学生なので、もちろんプラトニック、指一本触れていない。部屋に呼ぶのもはばかられるので、毎日何度もメッセージアプリでやり取りをしている。
絵文字だらけのかわいいメッセージを読むと、ほんわかした気分になってくる。
菫姫からぬいぐるみを貰った。猫っぽい動物のぬいぐるみで、「私だと思ってかわいがってね。夜は抱いて寝てね」とのことだった。かわいいなー、菫姫。
姫君たちとの状況は、ほぼ愛姫には打ち明け、相談もしている。何しろ彼女は王室内における戦略的パートナーだからな。
初対面の日に地雷を踏んでしまったかと心配した雅姫だが、先方から連絡があって、「彼のことで相談に乗ってほしい」とのこと。今晩、俺の部屋に訪ねてくることになった。
彼女との距離を縮めるために、ここはちゃんと聞いてあげようと思ったのだが、それが、あのような、思いもよらない事態に発展するとは…




