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愛姫(めぐみひめ)

 シャワーを浴び、衣服を整えると、早速三女のめぐみ姫が、黒島さんに伴われて部屋に入って来た。

 

 愛姫は早速に入るなり、鼻をクンクンさせた。

「男の人の部屋に入るの初めてだけど、何か生臭い匂いがするわね」


「こういう匂いをさせている男には、十分ご注意されるのがよろしいかと」

 おいおい、この匂いはあんたのせいじゃんと言いたのをぐっと我慢した。


「それでは、翔太様、後はくれぐれもよろしくお願いします」

 そう言い残して、俺を一にらみすると、黒島さんは部屋を退出した。


「まあいいわ、初めまして めぐみ姫です」

「初めまして、綾小路翔太です。よろしくお願いします」


「堅苦しいのは抜きにしましょうよ。私の周りって女の子ばっかりでしょ、ずっとお兄様が欲しかったの。翔太さまのこと、にいさまってお呼びしていいかしら」

 

 お、これはいい感じじゃないですか。

「もちろんだよ」


「兄さまは今まで庶民だったから、私の知らない遊び、たくさん知っているよね。これからは、いろいろなこと、教えてくださいな」

 

 庶民という言葉がちょっと引っかかったが、まあ、良しとしよう。

「うん、よろしくね」


 この子とはうまくやれそうだと思ったのもつかの間、愛姫は記者のような態度で、ストレートな質問をぶつけてきた。


「それで、兄さまは、私たちの誰とご結婚なさるおつもりなのでしょうか?」

「いや、まだ、全然、そんなこと考えられないよ」


「葵姫とは一晩一緒の部屋で過ごしたと聞きましたが、当然もうすることはしてしまったということでよろしいでしょうか?」


「してないよ。それって、どこから聞いたの?」


「ひ・み・つ。情報源の秘匿はジャーナリストの常識ですのであしからず。皇族一の私の情報網を持つ私に、嘘や隠し事は無駄とご認識くださいね。で、男嫌いで処女の葵姫には、さすがの兄さまも苦戦されたのではないでしょうか」


「だから、してませんって」


「ではとりあえずそういうことにしておきましょう。一方で私の姉のみやび姫は彼とうまくいっていません。彼が司法試験を落ち続けていて、別れてしまう可能性も大いにありという状況です」

 ああ、なるほど、それで恋人の話をしたら横向いちゃったわけだ。


「夜の方もここ一年ほどご無沙汰しているとのこと、女盛りのダイナマイトボディを持てあましている雅姫です。兄さまが誘惑すれば容易に落ちると思われますが、彼女の蜘蛛の巣を払ってあげようというお気持ちはありますでしょうか?」


「ありません!」

 それにしても、インタビュー内容がまるでワイドショーの突撃レポーターだな、この子。


「さて、星≪あかり≫姉さまは、ああ見えてそっちの方はなかなかお盛ん、先日もナンパした男が絶倫で、一晩で三回もしたということですが、そんな星姫をいかが思われますか」


「あー、へー、そうなんだ」


「あれ、びっくりされませんね。もしかして、その絶倫男というのは兄さまご自身、ということですか?」


「…」


「ふーん、ちなみに、星姫さまからは、今までの男の中でエッチが断トツで一番良かったというコメントもいただいております。兄さま、良かったですね」


 ようやくインタビュー・タイムが終わり、彼女が素に戻った。

「とにかく私はあなたに本当の兄さまになってほしいの。姉さまたちの情報、これからもいろいろと提供するので、スパイ兼相談相手として、なんでも頼ってちょうだいね」


 かなりませた高校生だが、それでも姫様たちの中に協力者がいるのは大変にありがたい。


「交渉成立ね。これからは週一くらいのペースで情報交換しましょうね」

 こうして俺と彼女は同盟関係を結んだ。

 

 部屋を去り際に、彼女は俺の方に振り替えると、言った。


「あ、それと、黒島さんには注意をした方がいいわよ。彼女、ただものじゃないから」

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